全長 20cm
ワタシのダイビングライフはほぼほぼ沖縄の海、それも今となっては水納島の海が大部分を占めているけれど、その昔は伊豆の大瀬崎で潜っていたこともあった。
沖縄での学生時代にダイビングを始めた身にとって、伊豆の海は何もかもが想像以上に新鮮で、思いのほかカラフルな世界であることに驚いた。
なかでもお気に入りはハナダイの仲間たち。
サクラダイにナガハナダイ、それにシキシマハナダイにもちろんキンギョハナダイがいて、そのほか死滅回遊で流れ着く各種レアものなどに大いに熱くなっていたものだ。
このスジハナダイも、大瀬崎では柵下というポイントのわりと深めにある小さな崖状の場所で群れていて、晴れの日も雨の日も雪の日(!)も、大いに目を楽しませてくれていた。
そんなスジハナダイはてっきり温帯域の魚だとばかり思い込んでいた。
ところが水納島に越してきて後、お向かいの伊江島で潜ってみたら、あっと驚くタメゴロウ、このスジハナダイがハレムを作っているではないか。
スミレナガハナダイのハレムを越え、ベニハナダイがいるさらにその奥のけっこう深めの場所に、まぎれもないスジハナダイが数匹群れていた。
これは若めの子。
まさかこんなところでスジハナダイに再会できようとは…。
これは凄いことだと勝手に喜んでいたところ、その後手に入れた洋書の図鑑で、このスジハナダイが実は紅海にまで分布していることを知ったのだった。
なんだ、暖かい海にいるハナダイなんじゃん…。
「水納島の魚」といいながら撮影地が伊江島で恐縮ながら、この一連の個人的オドロキは忘れたくないので、備忘録的にスジハナダイもラインナップさせてもらった。