水納島の魚たち

チゴベニハゼ

全長 35mm

 ベニハゼにそっくりなチゴベニハゼは、居場所もベニハゼとほとんど同じ。

 そもそも両者を区別する必要があるのかってくらい似ているから、語呂の良さもあって個人的には全部「チゴベニハゼ」にしていた時期もあった。

 ところが海中ではクラシカルアイのために不可能でも、写真で確認できさえすれば、両者はわりとたやすく区別できることを知った。

 いくつかある識別点のうち、最もわかりやすいのは、体後半部腹側の白点の有無(楕円内)。

 これで見分けられるという話なので、体を横から見せてもらわないことには区別不能……

 …と思っていたのだけれど。

 よく観ると、チゴベニハゼの顔はベニハゼに比べて随分青っぽい。

 これは撮り方のせいなのだろうか。

 念のためネット上に出ている「チゴベニハゼ」の写真をチェックしてみると、あらあら、ほぼほぼみんな顔が青っぽいじゃないか。

 これで区別できるのだったら、なにもわざわざ横から模様を見せてもらわなくても、顔さえ見えれば問題なしになる。

 ひょっとしてチゴベニハゼの「稚児」とは、顔が青いことに由来しているとか??

 ともかく両者の区別がついたところで、あらためてチゴベニハゼを観ていると、ホバリングしてくれた。

 でもそのアクションレベルは、やっぱり稚児級?

 追記(2020年12月)

 秋が深まってもいろんな幼魚の姿が観られた今年(2020年)、10月末に、チゴベニハゼの稚児級チビターレに出会った。

 人生最小級1cm。

 オトナのチゴベニハゼはなかなか横から撮らせてくれないのに、チビだからまだ世間ずれしていないのか、ほぼ真横から拝ませてもらえた。