水納島の魚たち

チゴヨウジ属の1種

Choeroichthys latispinosus

全長 15mm(写真の個体)

 最初に追記(2023年1月)

 この稿ではこれまで長らくこのヨウジウオを「チゴヨウジ」と紹介していたのだけれど、どうやらコイツはまだ和名が無いチゴヨウジ属の1種のChoeroichthys latispinosusと思われる。

 なので、以下ではこれまでの誤認識などナニゴトもなかったかのごとく、「チゴヨウジ属の1種」と変更してあります。

 追記終わり

 ワタシがこのチゴヨウジ属の1種と初めて出会ったのは、↓この写真を撮った時のこと。

 当時はチゴヨウジ属の1種であることなど知るはずもなく、そのままナゾのヨウジウオということで私蔵状態になってしまった。

 なのでそんなヨウジウオの仲間とどうやって出会ったのか、彼はなぜ宙を浮いているのか、撮影してからおそらく20年は経っている今となっては、当時の記憶は遥か3万光年彼方の忘却の海の底に深く沈んでしまい、ただポジフィルムが残っているだけになっている。

 その後長らく再会を果たせないまま、この魚は忘却の海から二度と浮上することはなかった。

 ところが近年、目を皿のようにして砂底をグリッド捜索することを無上のヨロコビのひとつにしているオタマサが、おそらく同じ種類であろうと思われるものに都合3度出会っている。

 ただしいずれも若魚もしくは幼魚なのか相当小さく、冒頭の写真の子もお馴染みの人差し指対人比で見てみるとこれくらいでしかない。

 下側の肌色部分がオタマサの人差し指。

 こんな激チビの黒い魚など、クラシカルアイでは何が何やらわからないところだろうけれど、写真でその顔を見てみると……

 その昔宙に浮いていた子とほぼ同じ顔!

 冒頭の写真に写っている尾ビレを比較してみても、おそらく同じ種類のヨウジウオであることは間違いない。

 ただし両者が同じ種類であることは間違いなさそうではあっても、このヨウジウオがホントにC. latispinosusなのかどうかについては間違いがあるかもしれない…。