全長 7cm
キンチャクダイ科アブラヤッコ属の小型種たちは、日本国内ではそれほど種類数がいるわけではない。
ところが海外の海で観られるものたちは、美しく艶やかな色彩に満ちた種類が実に多いことに驚かされる。
にもかかわらず、チャイロヤッコときたら観られる場所も色柄もとことん地味で、その存在をご存知の方は少ないかもしれない。
ちなみに冒頭の写真の子はメスで、オスは体がもっと青みがかり、後端に蛍光ブルーのラインが少々入る。
彼らが住んでいるのは、もっぱら岩場ポイントの人通りの少ないガレ場。
それも水深は20m以深だから、そんなところで時間をかけてウロウロしているのは変態社会人くらいのもの。
この魚をご存知ない方とはすなわち、健常社会人ということなのかもしれない。
たとえ運よくたまたま目にしたとしても、おり重なった石の陰にあっという間に隠れてしまうため、今のはいったいなんだったのだろう?と思うヒマさえないかもしれない。
※追記(2020年8月)
かくいうワタシも2008年にたまたま出会った冒頭の写真の時以後は姿すら見かけていないのだけど、今年(2020年)7月にオタマサが人生初のチャイロヤッコとの遭遇を果たし、12年ぶりにチャイロヤッコの写真が増えた。
…といっても、これ1枚だけだけど。