全長 MAX12cm(写真は6cmほど)
ゴンベといえばサンゴや岩の上にチョコンと乗っている、というのが定番だと思いきや、このウイゴンベは普段から泳ぎ回っている。
冒頭の写真でも、煌めくスカシテンジクダイをバックに堂々の泳ぎっぷり。
サンゴの上で、スズメダイ類たちと一緒になって泳いでいることもある。
さながら地味なハナダイといったところだ。
他のゴンベ類が浅い水深から観られるのに対し、ウイゴンベが好んで暮らしている水深は比較的深く、水深20mよりも深い砂地の根で見られる。
個体数はそれほど多くないし、水深20m以深ならどこでも観られるというわけではないものの、レアというほど珍しいわけではない。
むしろ根によっては、なんでここにだけこんなにたくさん?ってくらい住んでいる場所もある。
遊泳タイプといってもやはりゴンベなので、岩場にチョコンと着底していることも多く、やはりその姿はゴンベらしい。
おそらく環境に応じてのことなんだろうけど、体色には濃淡あって、同じトサカ系についている子でも、真っ赤なトサカにいると濃い目の色なのに対し…
薄い色のトサカだと、ウイゴンベの色もまた薄めだ。
薄めといっても↑これくらいが限度のはずなのに、ウミキノコ系のソフトコーラルにいた子はあり得ない白さだった。
ウミキノコ系で暮らしているとみんなこういう色になるというわけではなく、同じウミキノコにいた他の子は↓このように通常色だった。
ちなみに、後日再訪したら真っ白シロスケは姿を消していた。
ウミキノコ内ではカモフラージュ効果抜群とはいえ、暮らしに欠かせない遊泳をしている時にもこの色だったら目立つことこのうえなく、周囲から浮いている魚(弱っているように見えるからか?))を虎視眈々と狙っているプレデターたちに食べられちゃったのかもしれない。
プランクトン食だからなのか、他のゴンベ類と違ってウイゴンベはみんなで一緒に暮らしましょうというタイプなので、ツーショットを撮るチャンスがわりと多い。
体の色柄に特に特徴があるわけではないウイゴンベは、チビターレの頃もほぼそのままだ。
でもオトナ同様、赤味の強いカイメンなどのそばで暮らしている子は、随分黒っぽい色になっていることもある。
肉眼で観ていると、ほぼ同系統の色に見えるからまったく目立たない。
チビターレはこのようにポツンと単独でいるかせいぜい2匹でいることが多いのだけど、たまにこういうこともある。
ウイゴンベ・チビチビ―ズ!
ここには他にもう1〜2匹いたから、総勢6〜7匹のチビチビ―ズ。幼魚がこのようにたくさん集まっていたことなんて、このとき(2022年5月)かぎりのことだ。
ところで、ゴンベの仲間である彼ら、そもそも「ゴンベ」っていったい何?
その昔調べた際の記憶によると、たしか江戸時代の幼児の髪型で、前髪と盆の窪のあたりにだけ髪を残したスタイルのことを「権兵衛」と呼んでいたそうな。
ゴンベ類の背ビレの↓この部分を、その盆の窪に残した髪に見立ててのネーミングだ(ったはず)。
とはいえ若い頃には伸びてないし、何かというと他の魚にいたずらされそうなこんなピヨヨンを、オトナになってこれくらいクッキリハッキリ残している子は少ない。
まぁでも背ビレの アホ毛 権兵衛 が無くたって、彼らはたたずまいそのものが「ゴンベ」って感じだから、これでいいのだ(バカボンパパ風に)。