全長 5cm
大きな目といい、淡水魚のような透明感のある色彩といい、見るからに「夜の魚」感満載のヤミテンジクダイ。
その名のとおり、日中はリーフエッジのオーバーハング下の暗がりの奥に潜んでいる。
どうせ暗がりにいるのだったら、いっそのこと奥の奥でジッとしていればいいものを、やはり外が明るいと様子が気になるのか、たいてい奥の方から外を伺うように顔をこちらに向けている。
日中に出会えるとしたらせいぜいそれくらいのもので、ライトを当てるかストロボを当てるかしないと、全体像を観ることすらムツカシイ。
その点夜に潜れば、彼らがそこらじゅうで活発に……泳いでいるのかどうかは知らない。
ただ、ネット上に溢れているヤミテンジクダイの写真のなかには、自身の体長の半分以上はありそうな小魚をゲットして飲み込んでいるものもいた。
ヤミテンジクダイ、なにげにプレデターらしい…。
※追記(2023年11月)
暗がりの奥に潜んでいる…と本文中ではさもいつでも観ているかのように書いているけれど、実はこれまでは2015年4月の出会いが最初で最後、画像はその時撮ったたった1枚しかなかった。
ところが今年(2023年)、8年ぶりに再会を果たした。
砂底の根で、キンセンイシモチが控えめにパラパラと顔を覗かせている暗がりの奥にライトを当ててみると…
そこにヤミテンジクダイの姿が。
キンセンイシモチは暗がりの外側にいるから肉眼でも見えるけれど、ヤミテンジクダイがいるところはその名のとおりほとんど闇なので、ライトの光が無ければその存在に気づくことなどまず不可能だ。
ベンテンコモンエビでもいないかなぁ…とライトを照らしていなかったら、この時の再会は無かったに違いない。
この時は会えなかったとはいえ、ベンテンコモンエビ、グッジョブ。