全長 2cm
98年の白化で壊滅的な打撃を受けたリーフ上のサンゴたち。
しかし灰燼に帰したミドリイシ類に比べ、ハナヤサイサンゴ類のなかには生き残ったものもわりといた。
パンダダルマハゼやカサイダルマハゼ、ダルマハゼたちはこの(ヘラジカハナヤサイサンゴの仲間も含めた)ハナヤサイサンゴ類を住処とする種類なので、ミドリイシ類のサンゴに食住を依存するタイプの魚が一瞬にして消えうせた後も、かろうじて出会う機会が残されていた。
そんなおり、とあるハナヤサイサンゴの枝間に、まだ幼いダルマハゼ類がチョコマカ動いているのを見つけた。
体は薄い黄色で、各ヒレには色がついていない。
はて、ハナヤサイサンゴ類に住む黄色いダルマハゼといえばパンダかカサイ……でもヒレは黒くないしなぁ。
この後成長していくにつれ、ヒレが黒くなっていくのだろうか。
はたしてこのチビちゃんはパンダダルマハゼかカサイダルマハゼか。
幸い、このサンゴはその後もずっと元気でいてくれたので、そこに住む謎のダルマハゼチビターレが成長した姿を確認することができた。
そして…………。
………各ヒレは透明なままなのだった。
ヨゴレダルマハゼだったのである。
それにしても、よりによって「ヨゴレ」ってつけなくても……。
このハゼのいったいどこが「汚れ」なんだろう?
ここまで黄色いと、実は他のダルマハゼでは?という気にもなってくるけれど、ハゼ方面変態社会人御用達の書「日本のハゼ」のヨゴレダルマハゼの項では、
頭の輪郭が角張る
とハゼの大家が明記されている。
冒頭の写真のハゼの頭は、たしかに角張っている!
というわけで、ヨゴレダルマハゼで確定。
ちなみに同じ時に同じサンゴで撮ったらしき写真には、↓こういうものもあった。
これもやっぱり頭が角張って………ない?
あれ?
ホントにヨゴレダルマハゼなんだろうか……。
※追記(2022年5月)
今春(2022年)はサンゴガニゲームがマイブームになっていることもあり、リーフエッジ付近で各種サンゴの枝間を覗き見ることが多い。
するとカニにかぎらず、サンゴの枝間に住まう様々な生き物たちと対面することになる。
ヘラジカハナヤサイサンゴの奥には、↓このハゼもいた。
尾ビレまで写せなかったけど、この下半身の朧げな薄汚れ具合いはヨゴレダルマハゼだろうか。
それとも光の加減で陰になっているだけなのだろうか。
頭はピンボケ&サンゴに隠れているものの尾ビレの先まで写っている写真を見てみると…
光が当たっていてもちゃんと上半身と下半身とで明暗が分かれていた。
はたしてその顔は角ばっているか。
…やっぱりわからん。
でもこれはヨゴレダルマハゼで間違いないですよね?