写真の個体の大きさ 2センチ
いまだ正体がわからないウミウシはたくさんいる。 たとえ正体がわからなくとも、美しければそれでいいウミウシたちはたくさんいる。
でも、正体がわからない、おまけにたいして美しくもない……というウミウシの場合、なにもわざわざこういう場で紹介せずとも……と思わなくもない。
写真の子などはその最たるもので、進化し損ねたアメーバーと言われてもきっと頷いてしまうことだろう。 ただ、彼らが面白いのはその姿形ではない。 この子がいたのは水深30メートルの砂底なんだけど、そこはなんと、
こんな状態だったのだ。 彼らにとってみればサハラ砂漠よりも広いこの砂底で、何かに吸い寄せられてでもいるかのように四方八方から集まっている。 ひょっとして、キセワタフェスタ?
おそらく繁殖行動の一環だろうとは思うけれど、あとにも先にもこのとき限りの出会い。事実は今もなおナゾのベールに包まれている。