(Microprosthema plumicorne)
体長 10mm
全体はひ弱そうで、色もあまり派手ではないこのエビの特徴は、なんといってもその立派な触角だ。
ふさふさした触角の存在感は、他のエビの追随をまったく許さない。
こんなに立派な触角を持つエビなのに、世に出てくるまでには随分時間がかかった。
ガレ場の岩の下にいるうえにさほど個体数が多くなく、誰もその存在を知らなかったからだ。
初めてこのエビを水納島で発見したのは、ひたすらガレ場を這いずり回り、岩をひっくり返すのが大好きなゲストのO野さんだ。
「ゴッドハンド」の異名をもつO野さんだけに、↑このときもエキジット直前にこのエビを発見されている。
Microprosthema plumicorne という立派な学名はあるものの和名はまだなく、このエビ独特の触角がガンダムシリーズのナンチャラガンダムを想起させる(らしい…)ことから、変態社会ではガンダムエビと通称されているという。
そこで当店ではゴッドハンドに敬意を評しつつ、「ガンダムエビのO野君」と命名した。
ちなみに、このエビの発見から随分経った今に至るも、私はこのエビを自らの手で発見したことがない。
自分で発見したことはないけれど、サンゴヒメエビ似のエビと同じく、だんながゲストをガイド中に発見したものを撮らせもらったのが冒頭の写真だ。
上から見るとただ腹這っているだけに見えるポーズも、横から見るとかなりエビ反っていることがわかる。
あいにく白い砂底バックで撮ってしまっているから、独特の触角が見づらい写真になってしまっているけれど、そのかわりに目立つ腹部の緑色は、抱えている卵の色。
それにしても、ゴッドハンドO野さんが見つけてくださった最初の出会いとこの時、そして他の2回を含めて都合4回見たことがあるこのガンダムエビ、そのうち3回はここと同じ場所だ。
他の砂地のポイントと比べて何がどう違うというわけでもないのに、何かガンダムエビが好む環境でもあるのだろうか?