甲長 20mm
ヤドカリ属のヤドカリさんたちは、コモンヤドカリやアオボシヤドカリといったわかりやすい色柄のものがいる一方、パッと見がそっくりのヤドカリさんたちも多い。
それらを見分ける際の重要チェックポイントのひとつが、日中でもトコトコ出歩いているかいないか。
それはつまり貝殻にイソギンチャクを付けているか付けていないか、ということでもある。
このヒラテヤドカリは、過去に撮った4個体の写真を見るかぎりでは、すべて日中にフツーに出歩いていたから夜行性ではなく、もちろんイソギンチャクを貝殻に付けない種類のようだ。
貝殻にイソギンチャクを付けないタイプといっても何種類もいるなか、ヒラテヤドカリにはわかりやすいチェックポイントがもうひとつある。
第1、第2の触角それぞれの根元に、黒い線が入っているのだ。
もっとも、このような特徴など撮った画像を見て初めて確認できるものであって(@クラシカルアイ)、実際に海中でそこまでつぶさに観ようなんて気にはならない。
でも心配御無用。
ヒラテヤドカリは、触角の根元にわかりやすい模様が入っているだけではなく、眼、眼柄、触角、口の周りなどなど、顔周りがメリハリのある…というか、ゴシキエビっぽい派手さがあるといってもいいほどのカラーリングなのだ。
ちなみに↓これがゴシキエビの派手さ。
あくまでも個人のイメージですからね…。
ゴシキエビと似ているかどうかはさておき、この特徴があれば、和名がいう手(ハサミ脚)が他に比べ平たいなんていう特徴は、我々シロウトにはまったくの役立たずといっていい(ハサミ脚を横から見る機会なんてそう多くないでしょ?)。
また、これまで撮っている4個体はすべて水納島のビーチエリアで撮ったもので、水面からの日差しがユラユラ踊っている水深2mにも満たない浅いところばかり。
図鑑でも潮間帯から浅場にかけて観られると述べられているから、ビーチエリアは彼らのお気に入りの暮らしの場のひとつなのだろう。
そんなビーチエリアで、ヒラテヤドカリが熱心に物件のチェックをしていた。
イモガイ系のような出入り口が平たく狭い貝殻を好むのかと思いきや、リュウキュウタケノコガイのような貝でもいいらしい。
でもそんな見栄えのいい貝殻にすると、貝殻コレクターにゲットされてしまうかもよ?