甲長 10mm(写真は5mmほど)
ファーストコンタクトから4年後に再びテブクロイトヒキヤドカリと遭遇していた私は、その翌年またテブクロイトヒキヤドカリと出会えた…
…と思いかけた。
なにしろ眼は同じだし、眼柄の色模様も第1触角の色もそっくりなんだもの。
でもその脚先(指節…歩脚の矢印の部分))を見ると…
紫色じゃない?(テブクロイトヒキヤドカリは紫色)
でもこれくらい個体差の範囲だよね…
…と無理矢理納得していたところ、テブクロイトヒキヤドカリとは別に、イトヒキヤドカリという種類がいることを知った。
「テブクロイトヒキヤドカリに似るが、指節先端の色彩によって区別できる」と図鑑でも述べられているから、この部分の違いは、両者を見分けるうえで重要チェックポイントのようだ。
その他、イトヒキヤドカリのハサミ脚の甲の部分には、ギザギザが1列になって並んでいるという特徴もあるという。
あいにくクッキリハッキリその部分が写っている写真は撮っていないものの、画像を見るとそのようになっている気も…。
というわけで、このヤドカリさんはイトヒキヤドカリと認定。
ただ、テブクロイトヒキヤドカリと同じく、図鑑でもネット上でも海中で撮られた写真は本土の海ばかりで、砂底の色が黒いせいか体の色が随分濃い。
それらに比べると、水納島の白い砂底で撮ったこのヤドカリさんは、かなり淡い。
これまた5cmほどの貝殻に比してこのサイズだから…
まだまだ若齢ということもあるのだろう。
一応沖縄本島でも存在が確認されているようだけど、私はこれまで水深20mほどの砂底上で出会ったこの子としか会ったことがないから、おそらく水納島でフツーにダイビングするあたりにはそれほど多くはないヤドカリさんなのだろう。
探したからといってそうそう会えるわけではないイトヒキヤドカリ、若齢個体とはいえ貴重なファーストコンタクトだったのだ。
次回は「ザ・イトヒキヤドカリ」と認識したうえで会ってみたい…。