甲長 10mm
前世紀まではまだ和名がなかったこのヤドカリに、今世紀になってつけられた名前はキカザリサンゴヤドカリ。
おそらくこれは、着飾りサンゴヤドカリという意味ではなく、黄色いカザリサンゴヤドカリという意味だろうと思うのだけど、ではいったいカザリサンゴヤドカリに比べどこが黄色いのか、ということは不明だ。
浅く明るいリーフエッジ付近でフツーに出会えるキカザリサンゴヤドカリは、カザリサンゴヤドカリ同様個体数も多い。
キカザリ…とカザリ…のそっくり度合いは名前ほどではなく、我々シロウトでも見分けるのは容易だ。
いろいろ相違点はあるようながら、最も簡単な注目ポイントは脚の模様。
カザリサンゴヤドカリのスネ(?)部分が縦縞模様なのに対し、キカザリサンゴヤドカリは関節に斑紋があるだけで縞模様は無い。
…と、このように見比べるまでもなく、カザリ…のほうが赤が入っている部分が多いからキカザリ…より派手なので、ひと目で区別できる。
キカザリサンゴヤドカリは、パッと見さほどカラフルではないかわりに、脚をよく見ると細かな黄色系の模様が入っていることに気づく。
これが「黄カザリ」の名の由来なのだろうか(ちなみに彼らも第1触角はハナヒゲカラー)。
この脚の黄色い模様は、若い個体だと赤い斑紋同様目立たずあっさりしている。
逆に成長したものは…
なんだかスネ毛っぽーい…。
キカザリ…よりもカザリ…のほうが(一部の変態)ダイバーに人気がある、というのもわかる気がする。
スネ毛ボーボーだと女子ウケしないからといって、若すぎると赤い模様まで見えないから…
キカザリサンゴヤドカリとお近づきになるなら、↓これくらいの頃がちょうどいいのかもしれない。
オトナになるとスネ毛ボーボー模様になるキカザリサンゴヤドカリだけど、ヤドカリたちにとって秘部といっていい背中は↓こんな感じ。
ここまで裸身をさらされると、観ているこちらもいささか恥ずかしくなってしまう…。
ちなみにカザリサンゴヤドカリの背中は↓こんな感じ。
背中のほうがそっくりかも…。