みんな体長 10mm前後
イシサンゴ類の枝間で暮らすモシオエビの仲間たちは総じて小さく、寸詰まりの形をしている。
なので居場所とそのフォルムがわかれば、モシオエビの仲間であることはすぐにわかる。
モンダイはそこからだ。
そのモシオエビの仲間が、いったい何モシオエビなのかがわからない。
図鑑に載っているものだけでも、モシオエビ属、カタテモシオエビ属、ホソジマモシオエビ属の3つのグループがあって、標本写真のようにちゃんと全身を余さず記録していれば区別もつくのだろう。
けれど、なにしろ狭いサンゴの枝間にいてチョコマカ動き回るものだから、そうやすやすと望みどおりのアングルで全身を拝ませてはくれない。
そのため、撮った写真を見て自信をもって「○○モシオエビ」と言い切れない弱さが残ってしまう。
冒頭に掲げてある4種類(と思われる)モシオエビの仲間は、サムネイルサイズの左から順に
…と見当をつけているのだけど、はたしてどうだろう?
ちなみに上の4番目のモシオエビ(若)がオトナになると、すぐにそれとわかるハッキリした特徴がある。
ただ、アカテンコバンハゼが暮らしてるような、短い枝が密集しているテーブルサンゴなどにいるために、そのわかりやすい体全体を写すことが相当難しい…。
暮らしの場にしているサンゴのタイプである程度種類が分かれるような気もするモシオエビの仲間のなかで、私が学生の頃にわりとつき合いを深めていたのはクサイロモシオエビだ。
その思い入れのせいもあって、長い間クサイロモシオエビの若い頃なんじゃなかろうか…と思っていたのが↓こちら。
当コーナーのリニューアル以前は別枠で「クサイロモシオエビ」として、学生の頃の思い入れネタともども紹介していたのだけれど、ここにきてホントにこの写真のエビがクサイロモシオエビの若い個体なのかという、根本的な疑問が。
そこであらためてこのポジフィルムのスキャン写真をでっかくトリミングして見てみると…
…どう見てもカタテモシオエビ属の仲間にしか見えない。
付き合いが深かったわりには、まったく誤解していたのだった。
一方、ハナヤサイサンゴ類でよく目にする↓このモシオエビの仲間は、よく目にするにもかかわらず、昔の図鑑ではどこにも載っていなかったため、長い間不思議に思っていた種類だ。
現在ではもちろん図鑑に載ってはいるけれどいまだ和名はない Harpiliopsis spinigera 。
このエビちゃんにも思い入れがあるので、別枠にて紹介。
イシサンゴ類の枝間を探せば、種類を問わなければちょくちょく出会えるモシオエビの仲間たち。
いまだ見ぬ種類もまだまだいるというのに、観たことがあるものもろくに撮れないという、なかなかにハードルが高いエビちゃんたちなのである。