体長 15mm
アカヒゲカクレエビは、オオハナサンゴに住んでいることが多い。
一方、このエビととってもそっくりなエビがミズタマサンゴに住んでいることも古くから知られていて、変態社会勃興以前の図鑑上では、両者は同種とみなされていた。
ところがその後分類学的研究が進み、誰もが薄々気づいていたように両者は別種であることが明らかとなり、2000年に刊行された名著「海の甲殻類」において、ミズタマサンゴ(英名でバブルコーラル)に住んでいるほうはバブルコーラルシュリンプ、もしくは学名カタカナ表記で呼称され、ザ・アカヒゲカクレエビは冒頭の写真のエビということになった。
バブルコーラルシュリンプという名が広く知られている今でこそ両者が別の種類であるということは周知のジジツながら、混同されていた頃にはバブルコーラルシュリンプのこともアカヒゲカクレエビと呼んでいた時代が長く続いていた。
そのため、「別種です」となったときはさすがに衝撃的で、その後しばらくザ・アカヒゲカクレエビをゲストに紹介する際には、「本当のアカヒゲカクレエビ」と書くようになってしまった。
今までウソを言ってました………という自責の念がそうさせていたのだろう。
そんなこんなで、古くから知られていた名を独占できることとなったアカヒゲカクレエビ。
ところが彼らお気に入りの住処であるオオハナサンゴは砂地のポイントではほとんど観られず、岩場のポイントに行ったからといってそこらじゅうにボコボコ育っているわけでもない。
そのうえバブルコーラルシュリンプとは違って、宿主のサンゴを探したところで発見率は高くはない。
おまけにクラシカルアイとなれば、なまじ宿主のサンゴが大きいために、その名のとおり赤味が強いヒゲがチョロッと見えているだけのことが多いアカヒゲカクレエビなんて、そうそう発見できないかもしれない…。