甲長 10mm
干潮時に残った海水の水溜まりを、大小にかかわらずタイドプールと呼ぶ。
ひとくちにタイドプールといってもその環境は様々で、水納島の場合クロワッサン型の外側と内側とでは、そこで観られるヤドカリさんの種類まで異なってくる。
外側のタイドプールではシロサンゴヤドカリやスベスベサンゴヤドカリなどのサンゴヤドカリの仲間が多いのに対し、干潟になる内側ではヨコバサミ属の仲間がもっぱらだ。
ヨコバサミ属でもおそらく外側と内側とで観られる種類が変わってくるのかもしれないけれど、ともかく内側、すなわち干潟にできるタイドプールで多く観られるヤドカリさんのひとつが、このタテジマヨコバサミ。
彼らの居場所は↓こういうところだ。
こんなところにヤドカリなんているの?てなくらいの水溜まりでしかない。
ところがその水溜まりを覗いてみると…
タテジマヨコバサミがたくさんいる。
沖縄のこういう環境ではやたらとたくさんいるヤドカリさんのようなんだけど、恥ずかしながら記録に残すのは初めてのこと(しかも残したのはだんなだけど…)。
それにしても、上の写真なんて眼が水面から突き出ているくらいに浅い。
これは(だんなが)ヤラセをしてそこに置いた貝殻から出てきたからこういうことになっているわけだけど、いずれにせよ全体的に最大水深3cmほどの水溜まりで、さらに水かさが無いところでは実際に半身を出していそうな感じだった。
色柄がとてもよく似ているイモガイヨコバサミとは、眼柄を観て区別できる。
イモガイヨコバサミの眼柄にはクッキリハッキリした縞模様があるのに対し、タテジマヨコバサミは↑このようにほぼ無地。
眼柄には縞模様が無いけれど、その名のとおり脚はシマシマで、全体的にかなりハッキリした色柄のタテジマヨコバサミ。
その背中は↓こんな感じで、手脚と同系統の色味になっている。
ただ、そのメリハリのあるボディを「水中で」撮るには、水深3cmではあまりにも浅すぎる…。
ナチュラルな姿を撮ろうにも…
…水面越しにしか撮れないのだった。
普段の姿を「水中」で撮るためには、満潮時の干潟に潜るしかない。