甲長 5mm
水納島の岩場のポイントは、地形のために昼間でもずっと暗がりになっている岩陰が多い。
特にリーフ際の浅いところは地形が入り組んでいるためにそういう場所が多く、冒頭の写真の小さなヤドカリは、そういう場所でたまたま出会ったもの。
環境が異なれば同じ種類でも色味が随分変わったりするものだから、これは Pagurixus dissimilis の色違いなのかな?と認定しかけたところ、かなりそっくりなヤドカリさんにユビワヒメホンヤドカリなる種類がいることを知った。
模様の色味以外の1番との決定的な違いは、第1触角の先っちょのところ。
第1触角の先には、サビキ釣りセットの針についているピロピロのようなものがあって、 Pagurixus dissimilis (1番)ではそのピロピロと軸の間の部分(矢印のところ)の色がピロピロや軸と違いがないのに対し、ユビワヒメホンヤドカリ(2番)ではその部分が白いという特徴があるのだそうな。
P. dissimilis とそっくりでも、その部分が白いからユビワヒメホンヤドカリ…
…というまったくもって短絡的な認定ではあるものの、これまで出会ったことがある2個体は、ハサミ脚の模様とか歩脚の前節の模様など本種について述べられている特徴にも合致しているように見えるし…
…これらの特徴を持つ該当者が他に見当たらないから、案外当たっているかも?
ただし2個体とも、図鑑で生息場所として説明されている「潮間帯」とはまったく異なる場所で出会っているので、確信には至らないのだった。