15・嘉とそば
(株)エポック石垣島のベテランスタッフに、カトウさんという方がいらっしゃる。 出荷場では、選別と計量を主に担当しておられる方で、作業着を取るとサッカー選手のようなヒトでもある。 実際にお会いする前、えび屋−Mさんの奥様から、 とってもいいヒトで、動物が好きで、そういえば、大きな鳥も飼っているからきっとマサエさんと話が合うはず♪ と紹介していただいていた。 とっても気になったので、初めてお会いして早々に、無邪気にもお尋ねしてしまった。 「へ?飼ってないですよ……。うちにいるのは猫と犬だけですけど??」 どうやらえび屋−Mさんの奥様は、以前水納島に家族で遊びに来てくださった際にご覧になった、うちのかんぱち君とごっちゃになっていたらしい………。 ちなみに、ご紹介にあった「とってもいいヒト」というのはガセネタ(?)ではなかった。
この日の昼食時の車えび料理撮影ミッションは、そんなカトウさんの奥様が切り盛りしておられる「嘉とそば」さん。 以前は市街地の登野城地区の古民家風店舗で営業されていたそうで、当時の店舗をご存知の方もいらっしゃることだろう。 県道79号線からほんの少し入ったところにある店なので、その県道からの入り口には看板が出ている。 みなさん、どうかその看板をお見逃しなく。 かつての旧店舗の風情を懐かしむ方も中にはいらっしゃるのかもしれないけれど、ここのお店の素晴らしさはまず、テラス席からの眺め。 この眺めがあれば、どんな料理が出てきたってなんでも美味しくなるってものだ。 そこへもってきて、嘉とそばさんの八重山そばがまた美味いッ!! 生麺を使用されているので、オーダーを受けてから茹で始めることになる。 しかしその待ち時間が、波動砲発射10秒前から始まるカウントダウン状態になって、五臓六腑も舌も口も完全無欠のそば待機状態になる。 海老そば!! これがまた激ウマ。 東京じゃ、チャーシュー麺一杯すら食べられないっすよ…。 またこの味噌仕立て海老風味の出汁が素晴らしい。 ところで八重山そばって、そば自体が沖縄そばよりもかなり細い分、そばとそばの間の空間が小さくなる。 この海老そばの写真を撮る際、カトウさんの奥様である女将さんは、麺がのびちゃうから撮影用にもう一品お持ちしましょうか、とまで言ってくださっていた。 えび屋−Mさんの奥様が事前に我々に教えてくださっていたとおり、ホントにもう、「とってもいいヒト」「おしとやかな女性」を絵に描いたような方である。 いくらなんでもそれじゃあもったいなすぎるし申し訳なさ過ぎるので、お言葉に甘えるわけにはいかない。 で、みなさんは私を気にせず召し上がってくださればいいものを、撮影が終わるまで、えび屋−Mさんも奥様もうちの奥さんも、みんな待っていてくれる。 早く撮らなきゃッ!! 妙なプレッシャーを味わいつつの撮影なのだった。 こんな感じで撮ってました。 このほか、車海老塩焼きもいただいた。 島のパーラーのカレーと同じ料金なんですけど……。 石垣島内での車えびは、もはやけっして高嶺の花ではない。手を伸ばせば誰でも届くところで、エビちゃんたちはピチピチ踊っているのだ。 そんなピチピチ踊るエビちゃんたちの撮影というミッションが、このあと僕を待ち構えていた。 |