ハワイ紀行
〜またの名を暴飲暴食日記〜 |
12月4日(土)
日本の冬 埼玉の朝は、やっぱりとても寒かった。おかげで、布団から出たくない、という冬の朝ならではの感覚を久しぶりに味わえた。沖縄にいるときは、たまにこういう気分を味わってみたいなあなんて思ったりするのだが、一度味わってしまえばもう十分である。でも外はすっかり晴れ間が広がり、色づいた木々が心地よさそうに揺れている。いかにも日本の冬、というこんな風情は沖縄では味わえない。 お昼も昨晩同様胃に優しいうどんを食べ、人心地つけたあと、二人で老犬ムサシの散歩に行くことにした。すぐ近くを入間川が流れ、緑も多いこの付近は犬の散歩をするにはうってつけの環境で、食後の運動がてら歩くのにもちょうどいい。 ムサシと父ちゃん でも以前に比べたら景観は随分と変わった。河原もグランドや駐車場が整備されたりして、すっかり見違えるようになっている。夏場は週末ともなるとRV車がわんさか押し寄せ、にわかアウトドアライフを過ごしているそうだ。その河原に向かう大きな道も行き来する車の量が増えていた。対岸に大学が出来たせいでバスまで通るようになっている。この辺も騒々しくなるのかなぁ。 何台目かのワンボックスを見ながらそんなことを考えていたら、そのワンボックスが急に止まり、助手席から父ちゃんが出てきた。今秩父から帰ってきたのだ。家が留守だったのでそのまま同僚と昼を食べに行く途中だったらしく、一言二言挨拶を交わしたあとすぐまた車に乗って去っていった。 最愛の友である父ちゃんが突然出てきてびっくりした老犬ムサシは、車が去ったあともしばらく寂しそうにその場にポツンとたたずんで、なかなか動こうとしなかった。助手席が反対側だったので彼には父ちゃんが車に乗って去っていったようには見えなかったのだろう。きっと空気中から突然現れて、また忽然と姿を消した、と思ったに違いない。その後歩き始めたあとも、何度も後ろを振り返っては、不思議そうな寂しそうな顔をしていた。そもそも、ムサシ君はうちの奥さんと私を認識しているのだろうか。そのあたりとっても心許ない。 味の店鳥吉 家に戻ってからしばらくすると、父ちゃんも帰ってきた。そして目下のところの懸案である今晩の夕食をどうするか、という協議が始まった。協議とはいえ最初から帰結する方向は目に見えているのだ……。やはり結論は、ハワイ旅行を祝って鳥吉で飲むか、ということになった。 鳥吉とは知る人ぞ知る、元加治駅前のスーパーベリー素晴らしい居酒屋である。高くて少なくてそれほどおいしくない都内の居酒屋でばかり飲んでいる人が来たら、躍り上がってひっくり返って歌って笑ってドンドコドン、というくらい感動するだろう。この付近一帯の人はおろか、わざわざ遠方からも人が来る、ということからもその人気・実力のほどがうかがい知れる。 うちの奥さんの実家は、その古くからの常連である。かねてから私は「行きつけの飲み屋」というものに憧れていたのだが、家から歩いて10分もかからない駅前にこんな店があるなんて、まことにもってうらやましい。 水納島にもこんな飲み屋があったらいいなぁ、なんてほんの少しは思ったりするけれど、飲み屋ができようものなら、みんな3年分くらいつけをためてしまうに違いなく、たちまち潰れてしまうのは想像に難くない。 店に着いてしばらくすると、弟君が会社から帰ってきて合流し、4人で楽しく飲み食いした。暴飲暴食を反省して、とはいえ、こういう状況で一人だけ酒を控えるほど私は自分勝手ではないのだ(もちろんイイワケである)。さいわい、昨晩と今日のお昼をうどんにしたかいあって、ほんの少し胃の気力が充実している。しかもここは父ちゃんのおごり、ということもあり、特製みそをつけて食う焼き鳥やその他諸々を、またしてもたらふく食ってしまった。 さらにがんばれ、太田胃散!! |