2・寒中暖あり

 マラソン大会前日に島を出て、その日のうちに石垣島に到着、という昨年同様の予定を立てていた我々だったのだが、今年の冬を象徴するかのような寒波が微妙なタイミングで来襲。
 おかげで1日早く、それも慌しく島を出ることになってしまった。
 そして本来の出発当日である22日。

 この日羽田から那覇空港経由で石垣に到着予定の隊長。聞けば、那覇から石垣への飛行機は我々と同じ便だった。

 では石垣空港でお会いしましょう!
 という予定だったのだが……


マラソン大会を翌日に控え、どことなくやや緊張気味の隊長。
(飲んでていいのかなぁ…)<隊長の心の声。

 那覇空港で会っちゃった。
 当サイト旅行記ではお馴染みの、キリンビールのレストランである。
 ここはとにかく生ビールが美味い。
 すでに我々は飲食を終えていたから、隊長は無理にビールを飲む必要はなかったのだが、そこはそれ、ごっくん隊隊長ともあろうモノが、酒を避けて通るわけにはいかない。
 隊長も迷うことなく生ビールを注文。
 となれば、乾杯しないわけにはいかない。

 2杯目(グラスは小にしたけど…)を注文する我々。

 これって、負のスパイラルなんじゃなかろうか……。
 早くもアルコールカモーン態勢に突入してしまっていた我々を載せた飛行機は、離陸したと思ったらあっという間に石垣に到着。

 石垣空港では、石垣在のヒサコさんが、炎のランナー・マサカっちゃんとともに今年もまた我々を迎えてくれた。
 隊長を紹介しつつ、車に載せてもらって競技場で受付を済ませたあと、Yさんやスダちゃんが待っているカフェへ向かった。

 バイパス沿いにあるプカプカというカフェ、きっとご存知の方も多いだろう。海を見渡せる素敵なお店だ。

 天気予報は芳しくなかったものの、予想外の暖かい日差しに包まれながら、海を見渡せるテラスでくつろぐやわらかな午後。

 これだ、これだよ、これが沖縄だ!!

 この冬は本当に寒くて、南国沖縄といえどこのように日に当たりながら外でゆっくり過ごす、なんてことがほとんどできなかった。
 それがいきなり旅先でこの僥倖。
 行いがいいってこと??

 この店は海を見渡せるだけではなく、庭からそのまま海岸に出られるようで、大人がお茶を楽しんでいる間に子供たちが海で遊ぶ、ということも可能なのだそうだ。

 隊長を除くみなさんに会うのはまるっきり1年ぶりながら、かなり久しぶりに会った昨年に比べれば、1年ぶりなんてのはつい一週間前程度の時間感覚。みなさん変わりなく(一部変わりあった方もいるのだが、それについては後で触れる)、お元気そうだった。

 ここで、大会パンフレットに載っているコース案内図を頼りに、明日の応援予定を検討するYさん夫妻とスダちゃん。
 昨年同様全員がフルマラソンだったら何の問題もないところ、僕一人出場予定のハーフは途中からコースが分かれるため、応援団的には無駄なく回れる段取りが必要なのだ。

 ……って、あのぉ、ワタシはそんな熱心なランナーじゃないので、応援していただくほどのモノではないんですけど。

 なんだか申し訳ない。

 昨年こそ、フルマラソンに向けて異常なプレッシャーのもとに練習を積み、覚悟を決めて現地に到着した僕だったけど、今年はもうまったく別のところに重大な目的が。

 その目的とは??
 まさかその重大な目的が、この夜さっそく達成されるとは……。