21・エピローグ

 明けて、1月27日。
 足掛け6日間に渡る石垣島滞在も、ついに今日で最後だ。
 というか、マラソンがたった5日前とは信じられないんですけど……。

 7時30分には学校に行くユイマルを見送る、という彼との前夜の約束を果たすため、やや酒で重たい頭を抱えつつ洗顔。
 いかにもスッキリした風情を醸し出しつつ、約束どおり見送った。

 我々は11時過ぎの飛行機だ。
 それには、9時半頃に出発する必要がある。
 この日は歯医者さんに行くことにして保育園を休んだツムグにも見送られることに。

 昨夜彼とはあまり遊べなかった分、朝食後に時間があったので、いろいろと彼の宝物を見せてもらいながら一緒に遊んだ。
 昨年はキカンキのウーマクーワラバーという印象が強く、これはひょっとして将来ジャイアン?って感じだったのだが、1年経った彼は、映画版ジャイアンになりそうな気配を漂わせていた。<褒め言葉です。
 去年はけっして感じることができなかったシンパシーが、今年はたしかにあったような気がする……。

 ……って、俺の精神年齢低すぎ??

 ともかく子供たちは日々進歩する。
 それが1年ぶりの再会ともなれば、進歩の目覚しさは凄まじい。
 日々後退していくしかない我々にとっては、まぶしいほどの生命の輝きだ。

 空港までの道すがら、そして空港で別れ際、ツムグがやや泣きそうになりながら(のように見えたのは気のせいか?)、

 「帰らないで。」

 と、静かに、しかし力強く言ってくれた。
 大人の社交辞令とは違い、子供のこういう言葉は実に素直に心に染みる(大人の社交辞令も額面どおり受け止める我々ではありますが…)。

 ありがとう、ツムグ。
 でも、その昔メーテルも言っていたぞ。
 そう、別れも愛の一つだと。

 ……あ、直接言っていたのはタケカワユキヒデか。

 ふくみみ夫妻もありがとう!
 小さい子供を抱えては、なかなか水納島までってのもツライだろうけど、機会があれば是非!!

 この旅行記コーナーには、規模こそ違えどあっちこっちに行った記録がたくさんある。たいていの場合、その末尾はまた来たい、いつかまた是非…というような話で終わっている。
 が。
 これまで実現したことは一度もない。
 2年続けて訪れたこの石垣島は、今のところ唯一の例外になった。

 一度目は右も左もわからなかった場所を、ある程度知った状態で再訪するというのは、やはり面白い。
 おまけに石垣の場合、現地で暮らしている友人知人がたくさん!
 楽しくないはずがない。

 というか今回もまた、島P一家、Yさん夫妻、そしてふくみみ一家の世話になり、途中はえび屋−Mさんにご馳走になるという、前回同様全編世話になっていただけ、というのが実態だったりする。
 でもそのおかげで、無計画だったにもかかわらず、市街地のディープな酒場も、小浜島も、沢登りも干潟散策も、カヌーも廃村探訪もできて、そのうえ石垣牛までたっぷり堪能してしまったという、まるで計ったかのように充実した旅行になったのだった。

 そしてなによりも!!
 うちの奥さんの昨年来の目標である、「全編歩かず完走!」もクリア。そしてそして…

 隊長!!
 ただの酔っ払いではないことを存分に見せつけ、最後はただの酔っ払いとして帰っていったその雄々しい姿、永遠に語り継がさせていただきます!!

 それもこれもあれもどれも、現地に友人知人がいてくれたからこそ。
 みなさま、大変お世話になりました。この場を借りて感謝申し上げます。

 というわけで、お名残り惜しゅうはございますが、関係各方面に嵐のような被害を残しつつ、今回の石垣行、このへんでお開きにさせていただきます………………。

 ところで。
 前ページ文中のところどころで、アヤシゲな横文字が出ていたことにお気づきだろうか?<気がつかないわけないでしょう。

 あれはいったいどこの国の言葉?
 その国こそが!!

 来たる2月28日からしばらくの間の、我々の滞在先となる。

 次回旅行記

「来た、見た、食った」(仮題)

COMING SOON!!

 ………無事に行って帰って来られたら、ですけどね。