20・夢の御殿
先に触れたとおりYさんは、うちの奥さんが昔勤めていたサンシャイン国際水族館での元上司だった方である。 もう随分前のことになるけれど、サンシャインが大々的にリニューアルし、それまでのちょっと昔っぽいイメージから、一気に今風のエコパーク水族館に生まれ変わった。 ※その後さらに大リニューアルが行なわれ、名前も「サンシャイン水族館」に変わっている。このリニューアルにはYさんは関わっていない(2012年追記) そんな水族館業界の第一線で大活躍中だった方が、心機一転、石垣島に居を移して隠遁生活をする、という計画を発動された。 で、石垣島に土地を購入し家を建て、さあ、これからやっと石垣でのんびりした生活を!! ……という矢先に、館長に就任。 館長就任と同時に「じゃあ辞めます!」ってワケにもいかず、石垣へはまず奥様であるヒサコさんが、3匹の猫ちゃんたちとともに一足先にお引越し。 その年のクロワッサンは財政的にも石垣島に行ける余裕があったので(ちなみに今回の石垣行の旅費はすべてうちの奥さんのお小遣い)、ここはひとつ新築祝いで石垣島に行こう!! …という計画を発動しようとしたものの、せっかくだから旦那さんも引っ越してきてからお祝いに行こう!とうちの奥さんがいうので延期。 そうこうしている間に、すでにYさんもこの石垣で夏を2度過ごしておられるのであった。 ……申し訳ございません。 そんなYさん邸に向かい、雨が降るなか島P夫妻の車は走る。 もしかして??? え?まさか!? こんなとこで何をやってるの?? ……って、何もこんな雨の日に走んなくたって。 ちなみにこの日のマサカッちゃんたち夫妻は、朝の便で竹富島に渡り日帰り観光をしてきたのだとか。 なにもそんな思いをしたあとに雨の中走らなくとも……。 そしてついに、 Yさん邸到着!!写真は後日晴天に恵まれた日に撮ったもの。 (そのときすでにマサカっちゃん夫妻は沖縄を離れていたのだった…) おお……。 どう見てもどこかのリゾートだ。 一口で言うなら、「沖縄に移住してこんな生活をしてみたい……」と多くの沖縄フリークの方が遠い目をして憧れ続けているであろう夢のようなお家が、ゲンジツにここにあった。 広い広い庭には芝が植えられていて、そのさらに先には家庭菜園が。 家でやることがたくさんあって……というお話を聞いていたけれど、たしかにこれじゃあ、いくら時間があっても足りないくらいだろうなぁ…。 101号室です!という部屋に案内してもらって旅装を解いたあと、島P夫妻ともども、Yさんこだわりのコーヒーをご馳走になった。 このコーヒー、我が家で飲んでいるチープなコーヒーの100倍美味しいので、この後何杯もいただいてしまった……。 ヒサコさん手製のフィファチ(ピパーズ、ヒバーチその他いろいろ方言名あり)入りアンダギーがまた美味しい。 考えてみると、Yさん邸にこうして島P夫妻と一緒にいるってこと自体、これまではありえなかった組み合わせなのに、もはやまったく違和感がないところが面白い。 そうこうするうちにアスリートマサカッちゃんが帰ってきて(彼ら夫妻もこの日Yさん邸宿泊)、ほんでもって島P夫妻は、そろそろ娘が帰る頃だからということで帰宅。 都内にお住まいだった頃から、Yさんのお家の中はヒサコさんの趣向でジャングルのように観葉植物だらけだったくらいだから、もちろん石垣のおうちも、グリーンで溢れているのは庭だけではない。 で、脱衣所にヘルスメーターが置いてあった。 ん?? メガネの曇りを拭ってもう一度見てみる。 ん?? 乗り直してみる。 ん――――ッ?? 激増!? 答は実に単純明快だった。 我が家の体重計が狂っている!? そうなのである。いまだ針が左右にビヨヨンと揺れ動くアナログ方式の我が家の体重計は、正確無比なデジタルヘルスメーターが示す数値よりも2キロほど軽く表示されるらしい……。 なんだかなぁ……。 そしていよいよ、今宵の宴の始まりだ! でまた、Yさんご夫妻が次々に出してくださる肴が凄いのである。 なんとすべて、Yさんが電灯潜りでゲットしてきたものなのだ。 「おもしろい!!」 と、すっかり電灯潜りにはまっておられるYさんに、翌日伝家の宝刀とも言うべき愛用のモリを見せていただいた。 水族館ではお客さんに見ていただくものだった魚が、ここでは食べて楽しむものになったあたりがちょっと(?)違うだけ。 この豪華海の幸オンパレードの脇で、子供たち用のアトラクションもかねた企画モノとして、ふくみみ一家がたこ焼きを作ってくれていた。 「なんか………どう見てもこれ、いらないんじゃない??」 すでにテーブル上は肴たちのオンパレード状態だったのだ。 みなさん是非一度お試しあれ!! お邪魔するに際し、我々は一応手土産代わりにお酒を持ってきていた。島ナイチャーに泡盛ってのも芸がないから、もちろん秘蔵の日本酒を。 そんな楽しい宴席の果てに、翌日の予定が決定された。 あ……あのぉ…………僕C−3POなんですけど? あ、そうか!! 登山できるかどうかのテストだったのだ!! まったく、なんという人たちだ。 心配御無用。 エコツアー・ふくみみ!! |