35・モンレアーレへ行こう!
明けて迎えた3月5日。 ますます絶好調!! うちの奥さんも、すでにほぼいつもどおり。 絶対飲みすぎだと確信している我々。 そしてまた、朝からテレビスイッチオン。 といいつつ、ニュースの時間に天気予報等もやってくれるから、けっして無駄ではない。 ニュース番組でそんなに胸元開けてていいんですか?? お天気オネーサンがまた…… セクスィ♪ 思わずテレビ画面を撮っちまったぜ。 そうそう、天気予報のセクスィオネーサンにもビックリしたけど、ヤクルトのCMが流れていたのにも驚いた。 さてさて。 おお、パレルモで初めての青空!! マッシモ劇場も全然イメージが違って見える。 ただ、そういう道のりをチンタラゆっくり、あたりを眺めながらのんびり歩けばいいものを、とりあえずこの道をまっすぐ、とわかった途端、スタスタスタスタスタ歩いていく。 もう少しゆっくり歩いたほうが疲れないですよ、と何度言おうと聞く耳持たず。 ま、高度成長時代の日本を支えたこの世代の人たちに、「ゆっくり」を望むのは無理というものかもしれない。 そうやって目にも留まらぬ速さでガシガシ歩いているうちにクアットロ・カンティを過ぎ、一路インディペンデンツァ広場を目指した。 途中にあるカテドラーレを見た父ちゃんは、 「入れんの??」 やや興味を惹かれた様子。 昨日入ったからなぁ、我々。<ひどい!! というわけで、時間があったら帰りに寄ろうということで、先に行くことにした。 途中にあるヴィットリア広場にて。 こういういかにも南国の風景も、青空があればこそ。 門的には、外から見た姿が正面なんだけど…… インディペンデンツァ広場まではあと少し。 昨日花屋さんに教えてもらったバールでバスのチケットを買った。90分有効のチケットながら、現地で観光すると時間切れになってしまうから、帰りの分と合わせて合計6枚購入。 そしてバス停に到着。 我々と同じく、見るからにモンレアーレに行こうとしている観光客らしき白人がいたからとりあえず安心。 それよりも、バス停表示の看板を見て気がついた。 結局始発のバス停ってどこだったんだろ? やはり3分で飽きる父ちゃん。 年寄りの冷や水 その言葉が生まれた背景には、数え切れないほどの実例があったと思われる………。 バスが来るにはまだ時間がありそうだったので、バス停傍の屋台で、ついにあの食品を買うことにした。 アランチーノ!! いわゆるライスコロッケである。 例によって周囲にはオジサンたちがたむろしていて、ニィニィが食べ歩き用の包み方をしてくれていたら、オジサンは「こっちを使え」とばかりにニィニィに指示してくれて、お持ち帰り用の包み方に変身した。 「プレーゴ」 1.2ユーロだったので、2ユーロコインを出した。 「プレーゴって英語でなんて言うんだったっけ??」 「プリーズだよ、プリーズ!」 そしてニィニィ、僕に向かって陽気に小銭とレシートを差し出し、 「 Please!」 お……………面白すぎるッ!! こういう一連のやり取りを、傍からムービーで撮ってくれていれば………… それどころか、人がそうやって買ったアランチーノを横取りするのだ。 にしてもこのアランチーノ、場末の屋台製だから上品な味など期待していないにしても、とけたチーズといい米粒といいまわりの揚げパンといい……… 超ツボ♪ こりゃ美味いや。 でかすぎッ!! これで日本円にしたら百数十円なんだから恐れ入る。 アランチーノを食べ終わっても、まだバスは来なかった。 そうやってバスを待っているときのこと。 と思ったら。 「今何時かってことですか?」 尋ねてみると、そうそう、という。 「 Grazie.」そこですかさず僕も、「 Prego.」おお…………………俺って、イケてる!? そのとき、傍でその一部始終を見ていた地元のおねーさんと目があった。優しげにフフ……と笑顔を見せてくれた。 なんかうれしい…………。 そして389番らしきバスがついにやってきた。 「ええ、そうよ!」 小柄な峰不二子のようなオネーサンは、やはり優しく教えてくれるのだった。 うーんパレルモ、いい国だ。 ついにバスが来た。 実際にそんな目に遭う人がいるのかどうかはともかく、地元の方々も普通に刻印していた。 その時刻刻印器は、入り口近くにあった。 無反応。 あれ?先にやった方のはうまくいったのに?? 無反応。 あれ? あ、ひょっとして、旅行者は不要とか? たまたま目の前の席に先ほどの峰不二子嬢が座っていたので、この刻印って必要ないのですか?と訊ねてみたら、 「いいえ、必要よ。ちょっと貸してみて」 立ち上がるや我々の切符を手にとり、チャレンジしてくれた。 すると不二子ちゃんは、スタスタスタと運転席まで行くやいなや、熱心に事情説明。 再び戻ってきて、リベンジ。 ガチャコンッ!! おお、やった!! これすべて、バスが発進して動いているときの話である。 そこでもやはり、 「 Prego.」 そして彼女は、次の次くらいのバス停で、颯爽と降りて行ったのだった。 うーん、なんていい国なんだ、パレルモ!! バスはやや登り坂気味になった一本道をひた走る。 美しい女性の優しさに触れ、楽しげな町の活気溢れる様見ているうちに、ますます気持ちが盛り上がって……… ……いくはずだったのだが。 えー!?雨?? |