4・イタリアの沖縄
そんなわけで、僕のシチリア情報探索が始まった。 調べれば調べるほど…… シチリアって面白そう!! 塩野七生著「ローマ人の物語」や「ローマ亡き後の地中海世界」で、その歴史的な面白さをおぼろげながら知ってはいたものの、現在のシチリアがかくも光溢れる輝いた世界として知られているだなんて、寡聞にして世界とは縁がない僕はまったく知らなかった。 だって、ゴッドファーザーに出てくるシチリアは限りなく寂しそうな風が吹いていそうだったし、もう一つ僕の大好きな映画「ニュー・シネマ・パラダイス」も、飛行機でたった1時間の距離を30年間帰らないと主人公に決意させるほどの、どうしようもない「田舎」としてシチリアを捉えていたのに。 ところが旅行業界的シチリアは、調べれば調べるほど似ているのである。 そう、沖縄に!! それを具体的に細かく例をあげて書き記すのは面倒だから、あえて一口で言うなら、 Sole,Mare,Mangiare!! シチリアを探訪された方々のお話などを拝読すると、そこで紹介されている現地の方々の人柄といい、風土といい、沖縄にそっくり! そのうえ、かつて本土とは別の王国であったという歴史。 けっしてイタリア人というアイデンティティではなく(イタリアはそもそも中世都市国家の寄り合い所帯だから、どの地方の人も「イタリア人」というアイデンティティではないらしいけど)、あくまでもシチリア人であるという誇り。 標準イタリア語とはまったく異なる言葉の数々。 そして強烈にそのそっくりさ加減を我々に印象付けたのは、写真で観る市場の風景だった。 これがもうどこから見ても…… 牧志公設市場じゃんッ!! そしてそして、綺羅星のごときB級グルメの数々に、海幸満載のシチリア料理!! そんな食文化の代表格こそが、ほかでもないパレルモであるらしい。 パレルモにも行かねばッ!! タオルミーナとパレルモ。 なので、タオルミーナ、パレルモ、ローマの3ヶ所ってことにしよう!! 各地1泊ずつじゃ慌しすぎるし、2泊でも短い。 そう都合よく合致するものはない。 (株)ミキ・ツーリストのタカハタさんは、それはそれは丁寧に対応してくれて、右も左もわからぬ我々のよきアドバイザーにもなってくれたのであった。 こうして旅行先のベクトルは完全に定まり、各種手配を済ませれば旅行の準備は完了……… ……というわけにはいかなかった。 |