6・スポンサーの偉業
そんなこんなで、途中石垣島マラソンで死にそうになりつつも、いつになく入念な準備を済ませているうちに、ついに出発の日がやってきた。 なんだか実感が湧かない……。 それもそのはず、まずはうちの奥さんの埼玉の実家に寄ってから。 というわけで、今年も見てきました、てっちゃんグランド。
そして、2年ぶりに見るグランドは………
さらにさらにパワーアップ!!
行政に話を通して許可が降りた形になっている事業はますます大規模化し、なんとなんと、長い間手つかずの藪だった川沿いの道まで、人脈を駆使しつつユンボ3台をリースして大整地。
完全に「公園」になってきた。 かつては勝手に一人でやっていたこのグランド整備、今では有志も加わって、おまけに行政に話も通して、個人でできる規模を遥かに超えた事業を、あくまでも個人でやっているのである。 モノスゴイ……………。 今回の旅行では、いささか気がかりなことが一つあった。 旅行でそうやって歩けるように、日々ジョギングやウォーキングなどをしている我々である。多少の体力はあるつもりでいる。 が、はたして父ちゃんは歩けるだろうか??? …とちょっと不安だったのだが、このグランドを見れば。 本人も体力に関する自信はまんざらでもないようで、旅行先決定後からしつこいくらいにうちの奥さんが「歩き回るからね!」と念を押していたところ、 「体力は大丈夫だよぉ」 と強気発言。 そうやってグランドを拝見させてもらったあと、テクテクと歩いて墓参りをしつつ、午後は若夫婦一家ともども鳥吉にて一席。 この日我々は、父ちゃんから衝撃的発言を聞いてしまった。 目的地が定まり旅程も決まってからは、宿泊先込みのそれなりに詳細な旅程表を埼玉まで郵送してあった。 「なんだか読んでも読んでも遺跡ばっかりで、さっぱりわかんねぇからあきらめちゃったよぉ」 へ? 昔から、大河ドラマをはじめとする日本の歴史モノは本もドラマもかなり好きで、さっぱり話が通じない娘と息子に比べれば、断然同じ興味で話ができる僕の出番がよくあったものだったから、イタリアに関してもてっきりローマ帝国への興味が少なからずあるもの、と僕もうちの奥さんも勝手に思っていた。 全然違った?? というか、いったいイタリアに何を求めているんだろう?? 遺跡ばっかりでさっぱりわかんなくて諦めて以来、父ちゃんの事前学習は、我々がこれはもう一度観ておいたほうがいいよと勧めた映画「ローマの休日」だけだったらしい。 つまり。 そんな人を…………… ローマに比べればさらに何もなさそうなシチリアに連れて行って大丈夫なんだろうか?? 前途に不気味な暗雲が見え隠れしていた。 |