33・
2月5日
そしてナイロビ 僕たちの行きの飛行予定がいかにラッキーだったかということを、この帰りに思い知った。 ただし、飛行機から眺めるサバンナの風景は素敵だ。 そして。 ウィルソン空港に降り立ち、ターミナル(というほど大きな建物ではないけど)を出ると、ジャクソンが迎えに来てくれていた。 「どうでしたかぁ?」 「とんでもなく素晴らしかった!面白かったよジャクソン!!」 社交辞令でもリップサービスでもなんでもない。心の底からの感想である。 土産話に花を咲かせつつ、我々が目指すのはカーニボアという、主に観光客を主要ターゲットにしている焼肉屋だ。 (左)まるで乱入してきたタイガー・ジェット・シンみたいだが、彼は穏やかな人物である。 (右)ここでありとあらゆる肉を焼く。 ここではインパラの肉を食べられることもあると聞いていたので、ヘンリーからさんざん美味い美味いと聞かされていた僕たちは、是非ともインパラを食べてみたかった。しかし残念ながらこの日インパラの肉は用意されてはいなかった……。 次々に出てくる肉を「美味い美味い」と食べているうちに、時間は思いのほか速く過ぎていったようだ。定められた時間までたっぷりあると思っていたら、デザートを食べる頃にはすでにジャクソンとの待ち合わせの時刻まであとわずかになっていた。 大量だったものなぁ……。 カーニボアをあとにし、次は僕たちが行きの時点でリクエストしていた場所に行ってもらうことにした。 何かケニアらしい食品を買うなら、観光客向けの土産物屋よりも、地元の人が通うスーパーがいいに決まっている。そこなら、間違いなくあれも手に入る。 タスカービール1ケース!! 「便器の位置がメチャクチャ高い!!」 その方はわりと上背のある方だったのだが、それでも男子小用便器は容赦ない位置にあったらしい。僕などがそれで用を足そうと思えば、おそらく子供用の台座が必要だったことだろう。 観光客の姿などどこにもないこのスーパーマーケットは、当然のようにお客さんはみな黒い。 「これはケニアのとっても有名な歌ね。でも今CDな〜い……」 ジャクソンが指し示す、まるで台湾から入ってくる海賊版のようなそのカセットテープを見てみると、最初の曲名が JUMBO JUMBO! となっていた。 ジャクソン、これって「ジャンボ、ジャンボ」のあとに「ハバリガニ」って続いて、最後に「ハクナマタタ〜」で終わる歌? 「そうで〜す!」 買う!! 今日のドライバーは、行きのウィリアムに代わってサムさんだった。 ジャクソンさんはファイブスタークラブのヤマモトさん(僕たちの担当者)に会ったことある? 「おー、ヤマモトさんにあったことありまーす。小柄な人ですねー」 若い人? 「はーい」 きれい? 「フフフ…。ヤマモトさんといえば、このサムさんとマサイマラを6日間も一緒に車で回りました」 え?なんでなんで?? 「いろんなロッジやキャンプを調査する仕事ですねー。とっても大変」 じゃあ、ヤマモトさんもテッコーなんだね。 「イエス、彼女はとてもストロングでーす」 それにしても6日間!! 「ずっと二人きり??ロマンスは生まれなかったの、サムさん??」 「ロマンス!?ワォ!、サムさん、どうだったのぉ??」 ジャクソンにうけた。はたして真実は?? そしてナイロビ空港へ。 |