石巻のおみやげ♪

 石巻で買い求めたものは、やきそばだけではない。
 その名前を見ただけで思わず手が出てしまったのがこれ。

 石巻鯨カレー。
 名は魅力的ではあるけれど、そこはそれ、レトルトだからなぁ……
 などと、多大な期待を抱くことなくご飯の上にかけてみると……

 これがひと目で「本格的!!」と感じさせる色と香り。

 さっそく一口。

 激ウマッ!!

 ホントにもう、美味しいものを食べた感想が「激ウマ」しかないボキャ貧ぶりに自分でも呆れているけれど、それが特級の褒め言葉であることだけはおわかりいただけよう。

 「スパイシー」と書き添えられた言葉にウソは無かった。
 しかもココナッツの味わいが…。

 カレーマルシェが裸足で逃げ出すその味は、これまでの人生で食べたことがあるレトルトカレーの中で、圧倒的にダントツの輝け第1位!!である。

 たとえ鯨の肉じゃなくとも余裕で美味しいであろうこのカレー、でも鯨を入れなきゃご当地感が出せないか。
 スパイシーだから鯨のようにややクセのある肉にうってつけだということなら、きっとラム肉でも相当美味しくいただけるに違いない。

 焼きそばやカレーといったご飯系のほか、こういうものも買ってみた。

 「おからかりんとう」。

 かりんとうといえば、じゃりン子チエの父ちゃんテツが大好きな、犬のフンのようなナリをしたお菓子だったはず。
 ところがこのおからかりんとうは、似ても似つかぬ姿形。テツがこれを見れば

 「どこがかりんとうやねんッ!!」

 と怒鳴り、隣にいるカルメラ兄の頭をはたくことだろう。

 しかし仙台も含めてこのあたりでは、フツーに出回っているお菓子だそうだ。
 帰宅後食べてみると……

 これが意表をついて美味しい。
 少なくとも「おから」と聞いて想像していた味とは違い、しつこくもあっさりしすぎもしない絶妙な逸品だ。
 しっかりお腹に溜まる質感といい、朝食代わりに牛乳と一緒にいただいてもバッチリだ。

 食べ物ではないけれど、石巻を代表するメーカーの製品がこれ。

 ダイバーのみなさんならご存知であろう、MOBBY'S(モビーズ)というウェットスーツ&ドライスーツの国内最大手メーカー、その本社と工場は、なんと石巻にあったのだ。

 そんなモビーズが、ウェットスーツ生地を使って作っているのがこの小物類たち。
 震災のために倉庫が跡形も無く消えたこの会社が、被災地での雇用促進を目的として、大量に出る生地の切れ端を現地に送り、主婦をはじめとする人々の「内職」で各種アクセサリーや小銭入れを作るというシステムを生み出したそうだ。

 内職は貴重な収入になるのはもちろん、作業中は震災後の様々な不安から一時的にでも離れることができるという利点もあるということで、ズラリ揃っていた商品を見るかぎり、かなり軌道に乗っているようだ。

 裏面に記された文言が誇らしい。

 そんな被災地支援アイテムを、北のマスターはBar KOSHIにて、その日来店した我々全員にプレゼントしてくださったのだった。

 本来であれば我々こそが、山ほど購入しなければならないものだった………。

 現地で食べたものもある。
 これ。

 ずんだアイス♪

 前回の東北旅行で「ずんだ」の存在を知って以来、それがなにであろうと「ずんだ」と名がついていれば食べたくなる身体になってしまった僕が、ずんだアイスという名前を見て黙っていられるはずはなかった。

 しかも製造元は石巻の会社とくればなおさらだ。

 もちろん枝豆の風味溢れるさわやかアイス。
 ただ………

 こういうのを食べていたから、このあとの寒さが倍増したのかもしれない……。