21・エピローグ・プチトマトがくれた夢
翌朝もやはり快晴だった。 …というのは、かなりのピンポイントだったらしい。 ベランダから眺めたほぼ同じ向きの写真である。 やっぱり門戸厄神のご利益だったのだろうか……。 さて、長かったようでたったの4泊だった大阪滞在もついに終わりの日を迎えた。 帰りの飛行機も遠い遠い関空発なのだが、今日はさすがに赤い彗星号はない。 これって……………安くない?? やたらと高い電車を乗り継ぐことを考えれば、バス一本で行けるというのにこの値段は安い。おまけに、始発の阪急茨木市駅から関空までは、途中JR茨木駅に停まるだけで、その後1時間ほどで関空着。おまけにがら空きとくれば楽なことこのうえない。 始発の阪急茨木市駅前から乗った乗客は僕たち夫婦だけで、バスが発車する前から若い運ちゃんとは普通に話していたんだけれど、バスが発車するや若い運ちゃんは突然 「お待たせいたしました、関空行き近鉄バス………」 と、規定の業務アナウンスを始めた。 そんな、乗客は僕らだけなんやから、マニュアルどおりにやらんでいいですよ。 そういうと、 「A型なんで、型どおりにやらないと落ち着かないので………」 これまでたびたびバスには乗ってきたけれど、運ちゃんの血液型を聞いたのは初めてである。 この阪急茨木市駅までは180円。合わせても実家から関空まで1980円しかかからない。 なんと、大阪の実家〜那覇間は、一人11980円しかかからないのだ!! 我々の場合は那覇に出るためにさらに費用がかかるけれど、それでも15000円程度で済んでしまう。 しかも那覇から大阪までの飛行時間なんて、渡久地から那覇まで車で行くよりも短い。 なんてことだ。 こんなに近くて安いのなら、それぞれの季節でいい日和を選び、さらにもっともっと知られざる京阪神を探訪できる!! ………家に鳥さんたちがいなかったらね。 タカコさん、いつもいつもありがとうございます……。 なにはともあれ、怪我の功名というかなんというか、素敵な大阪と、知られざる京都を堪能することができたのも、そもそもは旅費がプチトマト号に消えてしまったおかげである。 それはともかく、これまでずっと「地元」と思っていた土地でこれほど楽しめるなんて!!ということはかなりの発見だった。ディスカバージャパンなどと大きく出る前に、僕たちはディスカバー故郷のほうが先なんじゃなかろうか……。 そんな話をしながら、その夜は本部の居酒屋で。 オキナワだから…と安心して薄着になっていたせいもあって、表を歩いていたら……… 寒い!! 大阪より寒いじゃないか!!<あんたは沖縄観光客か!! やっぱり………門戸厄神??? 最後になりましたが、ゲスト出演していただいた芳澤@茨木さんご夫妻、ならびにがんばるオジサン、ただの帰省にもかかわらず我々がこんなにも楽しい思いをすることができたのも、ひとえに皆様方のおかげです。 …というか。 楽しい!! 水納島のような、こんな辺鄙なところにわざわざ来て楽しんでくださっているような お馴染みのゲスト全国探訪ツアー をしよう!! あのぉ…………相手してくださいね♪ おしまい |