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One more time One more Chance
明けて、11月8日。 8時にホテルを出、再びオチアイの車で羽田空港まで送ってもらう。 ベイブリッジを渡っているとき、みなとみらいのビル郡の向こうに、雪をいただいた弧峰が見えた。 富士山だ!! さわやかな秋晴れの下、雪を被った霊峰富士が、これぞ日本!!という風景を僕たちにプレゼントしてくれた。 朝の道は空いていた。 彼が去るのを見送るつもりでいたのだが、このあと君嶋屋で酒を買い込むつもりなのだろうか、オチアイはなにやら地図を取り出し、道順を確かめているようだった。しばらくその場で地図を見ていたかったのだろう、我々に先へ行くよう促す。
今の日本、どんなに遠いといっても、その日のうちに島まで帰ってこれるのだから大したものだ。 いつものことながら、渡久地港へ戻ってきた時からもう日常だ。 日常チックではなりながらも、一度行ったことがあるつもりでいた横浜、今回はかなり堪能させてもらった。 しかしそれはもう過去のこと。 昨日、横浜へ向かっている車内で流れていたのは、オチアイセレクトの「横浜の歌」のひとつ、桜木町で迎える午前4時を歌う山崎まさよしの曲だった。 「 One more time One more Chance」という曲名だそうな。もちろん我々は失恋したわけではないけれど、今こうして日常に戻ってふと横浜での日々を振り返ると、 あの楽しかったひと時よ、ワンモアタイム、ワンモアチャンス!! ってところである。 |