全長 100cm
体に散りばめられた水玉模様だけを見れば、ハナビラウツボにそっくりなアデウツボ。
でもひとたび口を開ければ、その違いは一目瞭然。
アデウツボの口の中は、その名のとおり艶やかに真っ黄色なのだ(ハナビラウツボは真っ白)。
じゃあ、口を閉じていたらどうすれば??
そんな時は、目と目を合わせよう。
アデウツボの目には黒目の周りにも黒い模様があるのに対し、ハナビラウツボにはそれが無い(下の図)。
これでもう、両者を混同する恐れはない。
ただ。
実はこのアデウツボにはそうそう出会えるものではなく、図鑑によっては稀種とされていたり、ある図鑑では、住んでいる水深が深い、とあった。
たしかに水納島でも25mより浅いところで見られたことがないし、ここ18年ほど(2021年現在)はまったく出会っていない。
どうやら主生息水深はそれよりも遥かに深いところのようで、ハナビラウツボが住んでいるような浅いところにアデウツボがいることは、まずないといっていいようだ。
見間違うこともないのなら、細かな違いなどいちいち覚えていなくても……
…と油断していると、千載一遇のチャンスが訪れた際に「ああ、ハナビラウツボね……」で済ませてしまうかもしれない。
目とお口のチェックは欠かさずに。
ちなみにネット上で散見されるアデウツボの幼いころの姿は、水玉模様が体に比して大きく、おまけに口の中が黄色いため、なんだかやたらとカワイイ。
オトナになっても体後半部の水玉模様は疎らかつ大きいので、やけにかわいいパジャマを着ているように見える。
もっとも、幼魚であれ体の後ろ半分を丸出しにしているオトナであれ、海中で出会う機会など、水納島でマンタを観るよりもチャンスは少ないだろう(過去に水納島でマンタに出会ったのは一度だけ)。