全長 12cm(写真は4cmほどの幼魚)
昔の図鑑の中には「我が国では稀」と書かれているものもあったけれど(今そう書く人はいないと思う)、今も昔もサンゴが元気でさえあれば、どんなポイントでもリーフ上でたいてい1ペアくらいは見ることができるアミチョウチョウウオ。
でも、観たいと思うとなかなか出会えない程度には、個体数は少ないかもしれない。
幼魚はインリーフに多く、オトナにはない眼状斑が背ビレ後縁に見られるという。
ただ、秋以降にインリーフに潜るとちょくちょく出会えるアミチョウチョウウオのチビターレたち(上の写真)は、すでに眼状斑が消えかけている成長段階らしい。
3〜4cmくらいの小ささにして早くも消えかける眼状斑とは、もともとどのようなものなのだろう?
調べてみると、そもそも眼状斑といっても背ビレ後縁の黒い模様とセットになっているようで、いわゆる「眼玉」のような班ではないらしい。
一方オトナになると、幼魚には無かった色が出てくる。
額(?)のあたりが、わりと鮮やかな青に染まるのだ。
同じように黄色いボディで額が青くなるモノにレモンチョウチョウウオがいて、こちらは日本では相当珍しい。
だから額の青にだけ目が行くと、すわ、レモンチョウか!?と0コンマ3秒ほどアドレナリンが出てしまうこともある。
これまで何度もそういう経験をしてきたものの、残念ながら毎度毎度この網模様を見せつけられているのだった。
※追記(2021年11月)
2021年シーズン終盤に始まった軽石騒ぎのせいで、ボートを水納島の桟橋に浮かべていられなくなってしまった。
早期解決は望めそうもないから、シーズン終了と同時に渡久地港で上架することとし、以来ボートが使えない。
それでも天気海況ともいい日があれば、潜りたくなる。
そこでまた、カモメ岩の浜からビーチエントリー。
そのおかげで、人生最小級(2cmほど)のアミチョウチョウチョウウオに出会うことができた。
名前の由来でもある体の網目模様はうっすらしているのに対し、気になる眼状斑は大きくクッキリしている。
個人的ミニマム記録更新、これまた軽石がもたらしてくれたささやかな福といえるかもしれない。
※追記(2022年11月)
今秋も諸々の事情でビーチエントリーを余儀なくされているため、わりと頻度高くリーフ内の浅いところを徘徊している。
おかげでこれまでのアミチョウミニマム記録を、ほんのわずかばかり更新することができた。
このチビターレがいたサンゴ群落には他にアケボノチョウのチビチビもいて、横から見るとまったく異なる色柄なのに、前から観ると両者は(というかチョウチョウウオ類の多くは)わりと似ている。
だからだろうか、近くにいるほぼ同サイズのアケボノチョウチビターレと、始終行動を共にしていたアミチョウチビターレ。
オトナの場合、こうして背ビレを立てていると互いに威嚇しあっていることが多いけど、先日紹介したように、豆チョウたちは背ビレを立てているのがノーマルポーズ。
観ている間、ホントにお互いの存在を頼る感じで寄り添っている2人だった。