水納島の魚たち

アミメハギ

全長 8cm(写真は15mmほどの幼魚)

 アオサハギ同様アミメハギも伊豆あたりでフツーに出会うけれど、分布域の中心がもっと南だからか、水納島ではアオサハギに比べれば出会う頻度は高い(近年はなかなか出会えなくなっている)。

 ただしいずれの場合もチビターレで、オトナに出会ったことはない。

 2cmにも満たないチビは、砂地に点在する小石から生えているガヤを拠り所にしていることが多い。

 覗き見てみると、「ワタシはガヤ……」とばかり、ガヤに体色を合わせ、魚以外のナニモノかであるフリをしようと懸命になっている様子がカワイイ。

 ちなみに、背後にいるのはワレカラ。

 もっと小さい頃(1cmほど)のアミメハギは、その体色が黄緑色だからか、ウミヒルモなどの海藻が生えているところにいることがある(海藻の色に体色を合わせているのかもしれない)。

 やはり「ワタシはウミヒルモ…」といわんばかりに、海藻の葉にピタリと寄り添うアミメハギチビターレ。

 こうしてガヤや海藻のフリをしながら頑張っているチビターレだけど、ガヤが生えているだけだったり、わずかに藻場がある程度の砂底は、彼らの本来の生息環境ではないらしい。

 残念ながら、その後の成長した姿を目にすることはまずない。