全長 10cm
リーフ上の浅いところのそこかしこで、チョロチョロと逃げ隠れしている黒い魚は、ミノカエルウオでなければ、たいていこのアミメミノカエルウオだ。
こうやって静止画像を見れば両者の違いは歴然としているけれど、海中で観る両者は「とりあえず黒いカエルウオ」でパッと見そっくり。
そのうえ、よく見ようと思ったらすぐに逃げてしまうから、区別がつかないまま終わってしまうこともある。
でも個体数は多いので、たとえその子に逃げられてしまったとしても、その付近をちょこっと見渡せば次々に発見できる。
これは9月に撮った子で、一番上の写真は5月撮影。
こうして見比べてみると、同じような模様のようでいながら、そこには「個体差」だけではない何かがある。
このテのカエルウオたちが春に繁殖期を迎えることを考えると、おそらく5月に撮った子は、婚姻色を発しているか、発していたあとかくらいの、やる気モードではなかろうか。
同じく5月に撮った別の写真を見てみると……
逃げ隠れする普段に比べると、遥かに得意気だ。
にしても、タプタプしているお腹の中身が気になる……。
ひょっとして卵?
まだ観たことがないだけで、実は想像を絶するほど際立った婚姻色を発しているかもしれないアミメミノカエルウオ。
彼らに注目するなら、やはり春。
※追記(2023年10月)
上記にて「注目するなら、やはり春」と書いておきながら、今秋(2023年)出会ったアミメミノカエルウオは異彩を放っていた。
図鑑やネット上の写真を拝見して、アミメミノカエルウオには体を白っぽくしているものもいるということは知っていたけれど、これまで水納島で目にしてきたものはどれも黒が基調になっていたため、個人的にかなりレア。
それにしても、周りには黒い子ばかりのところで彼(彼女?)だけ白っぽくしているのはなぜなのだろう?
このようなサンゴに乗っかっていると、カモフラージュ効果があって便利だからだろうか。
でもこのホワイティは、最初は↓こういうところにいた。
これではカモフラージュ説はまったく説得力がない。
図鑑やネット上でアミメミノカエルウオを紹介している記事はたくさんあれど、体色に関して詳しく述べてくれているものに出会えないため、この白黒変化の詳細は不明だ。
ご存知の方、テルミープリーズ!