全長 9cm
「アルファ」などという、便宜上の名前がそのまま正式和名になったかのような名前からもわかるとおり、わりと最近名前がつけられた魚で、最近出版された図鑑でも
「日本ではやや稀種」
という扱いになっている。
水納島でももちろん稀ではあるけれど、発見以来かれこれ十数年経っているのに、相も変わらずずっと同じ場所に居続けてくれている子たちがいる。
それは水深30mほどの岩棚で、他のスズメダイたちに混じって暮らしている2匹だ。
発見時ですでにオトナだったから、随分ご長寿さんである(この魚がアルファスズメダイである、ということが判明した経緯については、ヒマワリスズメダイの稿をご参照ください))。
もっとも、とりたてて美しいわけではないその色彩、なおかつ長居しづらい水深のため、あえてこの魚を観たいという変態的ゲストはそうそういない。
個人的にも、この魚を撮るために深場で時間を費やすくらいなら、その周りにたくさんいる美しいスミレナガハナダイと戯れているほうがよほど楽しい。
ただ、もう少し深いところをサーチすれば、ひょっとするとチビターレに出会えるかもしれない。
まだ見ぬチビターレに会えるのであれば、窒素を溜めこむ甲斐もある?