全長 2cm
図鑑的にも一般的にも、ダルマハゼは↓ショウガサンゴ(の仲間)に住んでいる、ということになっている。
けれどあいにく水納島にはショウガサンゴの群体は極めて少なく、そこに暮らすダルマハゼを観たことがない。
水納島でダルマハゼをかろうじて確認できるのは、パンダダルマハゼと同じようなハナヤサイサンゴの仲間の枝間で、ただでさえ見づらいうえに、いるかいないかわからない小さなハゼの姿を暗がりのなかに求めるのは、老いた眼にはなかなかツライ作業となる。
そんなダルマハゼを観るには、観よう、撮ろうと一念発起するしかない。
なのでクラシカルアイを酷使しながらハナヤサイサンゴの枝間をサーチし続けて、ようやく元祖ダルマハゼを発見できた。
やればできる子なんです。
…とはいえ例によって見づらいこと見づらいこと。
なにしろこんな狭いところに居るんだもの。
コロンボ警部が飼ってるバセットハウンドみたい…。
もっとも、我々ダイバーにとって見やすい覗きやすいということは、すなわち外敵に襲われやすいということでもあるから、見づらいからこそ彼らが平和に暮らしているともいえる。
お、ここからだと見やすいかも!
…と思ったら、そういうところに限って↓こういう邪魔が入る。
お呼びじゃないんですけど…。
ま、メガネゴンべとしてもワタシが近寄っているせいでこのようにサンゴの枝間に逃げているわけだから、「こっちのセリフだ!」と言われるかもしれない。
そんな邪魔が入りつつもなんとか全身が見えるアングルはないものか…とハナヤサイサンゴの隙間を探っていると、真横とはいかないものの全身が見えるゾーンがあった(冒頭の写真)。
これが精一杯…。
体の後半部が濃くなっているのは光の加減ではなく、もともと顔部分と胴体&各ヒレとでかなりクッキリと色が分かれているのだ。
これがザ・ダルマハゼの特徴でもあるから、黄化個体がいかに際立った色味かということがおわかりいただけよう。
黄化個体の稿でも触れているように、ダルマハゼにはそのほか、目の周りの虫食い模様という特徴がある。
はたしてこのダルマハゼにもその模様があるだろうか?
わぉ、虫食い!
ダルマハゼに間違いなし。
とまぁそんなわけで、例によって彼らのパーソナルスペースを長時間に渡って覗き見していたからだろう、またしてもお叱りの言葉を受けてしまった。
覗き見はほどほどに……。