全長 2cm
ダルマハゼの仲間のうち、トゲサンゴを住処とするアカネダルマハゼやクロダルマハゼは、比較的観察しやすい。
また、ヘラジカハナヤサイサンゴに住むカサイダルマハゼも、けっして見やすいわけではないものの、サンゴの枝間がわりと広いおかげでその姿を拝みやすいハゼと言える。
一方枝と枝の隙間が狭いハナヤサイサンゴに暮らすパンダダルマハゼは、たとえ存在が確認できてもかなり見づらい、撮りづらい。
でもそれは、ダルマハゼに比べればまだマシな方だった。
なにしろダルマハゼときたら、狭いところにいるうえに色味がダークだから、サンゴの枝間の奥にいると「いる」ということがそもそもわかりづらい。
ましてや薄暮の時間帯がつらくなるクラシカルアイだと、明るい日中でも薄暗いサンゴの枝間の奥を目を凝らして覗くだなんて、考えただけで苦行になるかもしれない。
ところが、ダルマハゼには黄化個体なるものが存在するらしい。
へぇ〜、そんなのもいるんだ……。
と、このところダルマハゼ類を調べていて感心していたところ、5年前(2014年)にオタマサが撮っていたダルマハゼの仲間が、どうやらその黄化個体らしい。
ダルマハゼの特徴の一つに、目の周りの虫食い模様、というのがある。
冒頭の写真ではわかりづらいから、別カットの顔を拡大してみると……
おお、たしかに虫食い模様が。
というわけでこのハゼが、世間でいわれているところの「ダルマハゼの黄化個体」であることは間違いない。
ただ。
この黄色いダルマハゼはダルマハゼとは別種である、という話も一方にある。
そうなると例によって「ダルマハゼ属の1種」と呼ばれることになるかもしれないダルマハゼ・キレンジャーなのだった。