14cm(写真は6cmほど)
今秋(2022年)は、ビーチエントリーでリーフ内を潜る機会が多い。
おかげでようやく、リーフ内の地味地味ジミーなスズメダイにも目を向けるようになってきた。
これまで長い間リーフ内の地味地味ジミーなスズメダイたちは、目には入っていてもその情報が我が豆腐脳にまでは達しておらず、たとえ写真を残していても、それがどこでどのように暮らしているのか、脳で「観て」いないから記憶に欠片も残っていないものが多かった。
冒頭の写真のスズメダイはそれどころではなく、撮影したことはおろか見覚えすらない。
桟橋脇のサンゴ群落にけっこう数多くいるくらいだから、珍しいスズメダイというわけではまったくないはず。
それなのに、なぜ今まで存在に気づいていなかったのだろう?
調べてみたところ、このスズメダイはクロソラスズメダイ属のハナナガスズメダイだった。
図鑑によると成長すれば14cmにもなるようで、クロソラスズメダイよりも遥かに大きく、クロスズメダイのオトナ級のサイズになるらしい。
桟橋脇ではそんな特大サイズはまったく見当たらなかったものの、5〜6cmくらいをマックスに…
それよりやや小さいもの…
もう少し小さいもの…
そして幼魚っぽいもの…
そのほか1cmに満たないくらいの激チビも含めた各サイズが、狭い範囲にそれぞれ単独で暮らしていた。
サンゴ群落の隙間から隙間へ移動しつつチョロチョロ見え隠れする激チビや幼魚を除き、彼らもクロソラスズメダイ属の魚らしく、藻類農場を営んでいる。
この藻、サンゴが生きているところから生えているように見えるんだけど、この種類のサンゴにとってそれはモンダイではないのだろうか。
成魚サイズではないようだから規模こそ違え、一所懸命ぶりはクロソラスズメダイと同様だからとにかくケンカっ早く、隣り合う同種同士でも牽制しあっていた。
他の仲間たちに比べて吻端が突き出た感じのフォルムなのでこの名があるんだろうけど、その分いっそう気が強そうに見える。
これが10cm超の特大成魚になると、どれほど激しく攻撃的になるんだろう…。
というか、どこにいるんだ?特大オトナ。
※追記(2023年11月)
どこにいるんだ?も何も、オトナはフツーにそこらにいた。
カモメ岩の浜からエントリーしてリーフ内のサンゴ群落を巡れば、チビや若魚ともども、10cmほどのオトナの姿もあちこちに。
にもかかわらずなにゆえこれまで見逃してきたのかというと、恥ずかしながらワタクシ、このオトナをクロソラスズメダイのオトナと混同していたから。
自身が丹精している藻の養殖場に迫る敵を追い払う様子はそっくりだし、なんといってもこの面構え。
似たような迫力なので、ずっとクロソラスズメダイだとばかり思っておりました…。