全長 5cm
その名のとおり、パッと見は小さなオニハゼといった感じのハゼ。
でもその背ビレをよく観ると……
先の方がピンと伸びて、なかなかシャープなフォルムになっている。
これはおそらくメスで、オスはさらにピーンと伸び、いっそう戦闘的なフォルムになる。
残念ながら本家オニハゼに比べると個体数はかなり少なく、観たいと思って砂底を徘徊しても、毎回出会えるというわけではない。
しかもけっこう神経質なので、その存在にこちらが気づく前に巣穴に引っ込んでしまうこともあるから、一部のハゼマニアを除けば、観たことがないという方のほうが多いかもしれない。
でも水納島でもけっしていないわけではなく、砂底徘徊変態ダイビングに高じていれば、きっと出会うことができるだろう。
もっともワタシの場合、出会ったときはゲストをご案内中のため、長い間写真に収めることができずにいたハゼではある。
ところが今年になって(2018年)、ようやくカメラを向けるチャンスが訪れた。
最初の出会いはこれまたゲストのご案内中だったのだけど、後日カメラを携えてフリーで潜る機会を得たので再訪してみたところ、ともかくも記録として残すことができたのだった。
ヒメオニハゼがパートナーにしているのはコトブキテッポウエビだ。
神経質なハゼなので、本人の姿すら容易には観させてくれない子が多いのに、この子はダイバーに慣れてしまっているのか、エビちゃんに警戒警報を送らない程度に呑気なたたずまいを見せてくれていた。
ここは他のダイビングボートもしょっちゅうくるところで、ダイバーの往来も頻繁だから、そのたびにいちいち引っ込んでいたらやってられないってことで、警戒モードを1ランク下げてくれているのかもしれない。