水納島の魚たち

ホシニセスズメ

全長 5cm

 個体数の多さということなら、いつでもどこでも出会えるホシニセスズメ。

 ただしそのサイズは小さく、人目を引く色をしているわけでもない。

 しかも警戒心が強いため、同じ仲間のクレナイニセスズメが光さえ当てなければその姿をわりと拝ませてくれるのに対し、ホシニセスズメは視線を向けただけで「キャッ!」とばかりすぐに岩の隙間などに隠れてしまう。

 そのまま待っているとやがて再び顔を出してはくれるものの、たいていこちらを警戒しつつ、逃げ場所の近くから様子を伺っていることが多い。

 そのため姿を見かける機会が多いわりには、バッチリ真横からその姿を拝める機会がなかなかなく、肉眼での束の間の出会いだけだと、彼らホシニセスズメの名の由来でもある特徴に気づくことさえない。

 ↑このように写真を撮ってさえ、さほど気に留めずスルーしてしまうその「特徴」とは。

 実は彼らの体にはその名のとおり、星模様がズラリと並んでいるのだ。

 肉眼じゃ、基本的にグレーの地味な魚にしか見えないから、その名のわりには案外知られていないかもしれない。

 初夏になると、チビターレの姿が目立つようになる。

 これまた肉眼、それもクラシカルアイだとまず海中で気づくことは不可能ながら、このチビターレの眼をよく観ると…

 あらら、意外にビューティホー!

 しかも目はなにげに変形ハート。

 瞳の形はともかく、この虹彩(?)部分のカラフルさはオトナになると薄れる傾向があるような気がするから、チビターレならではかもしれない。