全長 30cm(最大60cmくらいらしい)
2024年の潜り納めとなった晦日のこと。
白化後のリーフの状況をチェックしていたところ、ふと目をやった死サンゴ石の下に、アヤシゲな尾ビレが見えた。
こんなところにゴマウツボ?
そのままジッとされていたらゴマウツボか…で終っていたであろうところ、ワタシの気配を察知したのか、尾ビレをピロピロ動かし始めた。
その動き、ゴマウツボではないんじゃ?
ちゃんと覗きこんでみると…
え?ナマズ??
海にいるナマズといえば……ゴンズイ。
たしかに巨大化したゴンズイも観たことはあるけれど、ゆうに30cmはあるこの魚はどう見てもゴンズイサイズではない。
そしてその口元には…
クリクリお目目の周りには、線香花火のようなヒゲが。
エラの下のものは、ヒゲじゃなくて腹ビレが変化したものか?
誰だこれ?
こういうナマズ系、昔大瀬崎で何度か観たことがあったけど、なんて名前だったっけ…。
あ!
イタチウオだ!
ドデンッとでっかくて、地味で、暗がりでジッとしてばかりいるから、たとえ出会っても大きなヨロコビとはならなかった大瀬崎のイタチウオ(腹ビレ変化系のヒレになど、当時は気づきもしていない)。
しかし水納島で暮らすようになって30年目にして初めて出会ったイタチウオは、いろいろと興味深かった。
本人には申し訳ないけれど、ライトに照らされたことによって落ち着かなげになってしまったあとのその動きが面白い。
背ビレと尻ビレをピロピロ動かすその様子は、その昔熱帯魚を飼っておられた方にはお馴染みであろうトランスルーセントグラスキャットみたい。
あ、ヤツもナマズだったか…。
…と、これを書いている今の今までイタチウオはナマズの仲間だとばかり思っていたのだけど、実は似て非なるもので、イタチウオはナマズ目ではなく「アシロ目」というまったく別のカテゴリーに入る魚だった。
イタチウオは水深1mくらいの浅いところで観られることがあるかと思えば、水深650mもの深海の淵でも暮らしているそうで、言われてみるとその動きは深海魚の風情を湛えているっぽい。p>
その深海魚っぽいヒレの動きは画像じゃわからないので、動画で(30秒過ぎからヒレの動きがグラスキャット化します)。
危うく「ゴマウツボか…」で終わってしまうところ、よくぞ気がついた。 > 俺。
というか、イタチウオが沖縄にも分布しているとは知らんかったなぁ…。
個人的に初遭遇となる沖縄の、いや水納島のイタチウオ。
2024年の潜り納めは、お魚コーナーにまた新たな魚をプレゼントしてくれたのだった。