水納島の魚たち

セスジサンカクハゼ

全長 5cm

 水納島で会うことができるサンカクハゼの仲間の中で、最も多い(と思っている)のがこのセスジサンカクハゼだ。

 スカテンやハナダイ類などの群れをボーッと眺めて過ごすような根の周辺で、いつも単独で(でも周りに仲間はいる)チョロチョロしている。

 ただ、これまで執拗に例えてきた「通行人A」のイメージに最もマッチする姿形ということもあって、わざわざカメラを向けようという気になったことがこの26年間でほとんどない種類でもある。

 撮った写真をじっくり観れば、透明感のあるボディに控えめに散らばる小さな小さなオレンジの点々がそれなりに綺麗ではある。

 けれど、水中でこのような色に見えるわけじゃなし、やはりひと口で言うなら「パッとしない」。

 そんなパッと見地味地味ジミーなセスジサンカクハゼながら、思わずカメラを向けたくなる瞬間を演出してくれることもある。

 他の種類とのツーショット♪

 お相手は、セスジサンカクハゼと同じようなところで同じようにチョロチョロしているカタボシオオモンハゼ

 やはり個体数は多いから、どちらかをじっくり観ていればこういうシーンに出会う機会も多いのかもしれない。

 でもカタボシオオモンハゼもまた、同じように地味地味ジミー。

 たとえツーショットになっても、地味度がアップするだけなのだった…。

 追記(2021年6月)

 パッとしないセスジサンカクハゼながら、やけに可愛く見える「見方」があった。

 それは…フェイストゥフェイス。

 セスジサンカクハゼもなかなかやるかも。