40cm(写真は8cmほどの若魚)
冒頭の写真はなんだか釣果をコンクリートの上に寝かせているかのようにも見えるけれど、これは背景が桟橋のコンクリートブロックのため。
というのも、オタマサが桟橋の付け根付近の浅いところで発見した魚だから。
この魚、その名をタカノハダイという。
その昔伊豆で潜っていた頃には、フツーにオトナ(40cmほど)に出会えていたものだった。
沖縄でも方言名があるくらいだからけっしていないわけではないものの、我々は遥かな昔に「本島で見た」という話を後輩から聞いたことがあるだけで、沖縄の海で実際に目にしたことはなかった。
もちろん水納島では初登場。
伊豆で潜っていた時以来だから、ほぼ30年ぶりくらいになる。
もっとも、写真の子は10cm弱とまだ子供も子供で、昔よく出会っていたオトナと色柄は大差ないものの、こちらのほうが断然可愛い。
ではオトナはどのような姿なのかというと…
…と、昔伊豆で撮ったフィルム写真を探してみたところ、なんてことだ、ワタシもオタマサも1枚もタカノハダイを撮ってはいなかった。
もっぱらマクロレンズ装備で潜ってばかりいたあの当時、タカノハダイのオトナサイズの魚を撮るにはあまりにも不向きすぎて、カメラを向けたことなど1度も無かったらしい。
限られたフィルム枚数、そして被写体を選ぶレンズという制限のため、よく会っていたのに写真は残っていないという魚たちは数多い。
今のようにせめてコンデジがあれば、あれもこれも証拠写真くらいは残せていたろうになぁ…。
桟橋の付け根付近にいたタカノハダイヤングボーイは、コンクリートブロックの継ぎ目を根城にしていたらしい。
ひっそりイジケてジッとしているわけではないようで、カメラの前でも気張ったポーズを披露してくれたようだ。
波打ち際からほんの5mほどのところで待っていた千載一遇。
昨秋(2021年)のアミモンガラ軍団は言うに及ばず、桟橋脇は、なにげに「出会いのミラクルゾーン」なのである。
…って、オレは見てないじゃん。
いずれそのうちに…と言う間すらなく、タカノハダイヤングボーイは3日後には姿を消してしまったのだった。
ミラクルゾーンではあっても、パラダイスというわけではない桟橋脇なのである。