全長 15mm
オビイソハゼと同じく、イソハゼらしからぬ(※個人のイメージです)その色彩のために、見かけると「おっ?」となるトラノコイソハゼ。
砂地のポイントでも岩場でも、安全停止中にサンゴを愛でながらウロウロするような浅いところでフツーに観られるから、目にしたことがある方も多いはず。
でも撮ったことがあるという方は少ないはず。
というのも、トラノコイソハゼは他のイソハゼたちに比べて随分小さく、そのうえすぐに逃げてしまうのだ。
なまじ見かける機会が多いだけに、逃げられてしまえば「また今度でいっか…」となる。
ワタシなど、「また今度…」と言い続けて27年経ってしまった。
冒頭の写真は当方が唯一記録に残せている個体で、どういうわけかこの子は撮っている間ずっと逃げずに居てくれたらしい(オタマサ撮影)。
たくさんいるにもかかわらず、写真は唯1匹のみ。
まさに虎の子の1枚なのである。
※追記(2022年5月)
水温がグンと上昇機運になったGW中(2022年)、通常営業を終了したのをいいことに連日カメラを携えて潜っていたところ、岩場のポイントの浅いところで小さなイソハゼ系がチョロチョロしているのが見えた。
こういうところにいる小さな魚たちは、ダイバーのような大きな影が近寄ってくると一瞬でサッと巣穴に逃げてしまうので、最初のチラ見ではシマイソハゼ系かな?と思った。
ところがそのままジッとしていたら、再び出てきた小さなハゼは、どうやらトラノコイソハゼのようだった。
人生初のトラノコイソハゼ撮影。
とにかく小さいのでクラシカルアイにはよく見えないのだけど、雰囲気からして恋模様っぽい。
水温が上昇してきて、グッと盛り上がっているのだろう。
体が大きなほう(といっても2cmないくらい)がどうやらオスらしく、拡大してみると…
興奮モードになっているようで、メスに比べてシャープな背ビレは、端までカラフルに染まっている。
興奮ダーリンに追いかけられているメスは…
冒頭の写真に比べると赤っぽいし明るいという違いはあるけれど、間違いなくトラノコイソハゼペインティング。
観ていると1匹のオスが周辺にいる小ぶりなメス2〜3匹を相手にしていた。
クラシカルアイだと写真に撮って画面を大きくしてからようやくわかる世界ながら、彼らも恋の季節を迎えているのだった。