チヌマンの刺身
チヌマンもしくはツノマンとは、テングハギのことである。 ところが、そんなにたくさんいるにもかかわらず、市場でお目にかかることは滅多に……いや、まずない。 なぜか。 …と訊かれて、県内在住のお魚好きお刺身好きの方は、 「まずいから…」 と応えるだろう。 あまりにもチヌマンの実力を知らなすぎることによる。 いかな流通の世の中といえど、鮮度を保ったままこの魚を食卓、もしくは居酒屋のテーブルに供することはかなり難しい。 そのため、この魚の評価は、鮮度が落ちた状態で測られることになる。 その点、産地直送どころか産地そのものの島に住んでいると、海から上がったばかりのチヌマンをいただくことができる。 激うまッ!! 特に冬は脂がノリノリで、腹側のお刺身なんて「これが白身のお刺身か!?」と驚くほどの食感&味になる。魚通と称する都会の人が目隠しをしてこの魚を食べたら、まず間違いなくこれがチヌマンであるとは気づかないだろう。 このチヌマンをいただける環境さえあれば、クロマグロなんぞ、どれだけ漁獲制限、輸入制限を設けられようと知ったこっちゃない。 |
生前のお姿