25・エゴツアー2012〜ミッション:ボンゴレ〜
朝市見学を終え、Yさん邸まで散歩しながら戻り、のんびりしているうちにお昼になった。 そのままのんびりYさん邸にてお昼もご馳走になるってのも捨て難いシアワセ時間ながら(なんて勝手なヤツ)、我々にはどうしても果たさなければならないリベンジがあったのだ。 新垣食堂。 Yさん邸からは随分遠いものの、そこまでしてみる価値はある。 「開いてるかどうか、電話してからのほうがいいんじゃない?」 そうヒサコさんはおっしゃってくれるものの、よもやの場合はよもやの場合で、ネタになるから大丈夫ですよ♪ ……な〜んて、まさか「よもや」はあるまいと高をくくっていた僕だったのだが。 はるばる伊原間まで到着してみると、例によって例の札が……… 本日休業。 え゛――――――ッ!? いったいどうしちゃったんだろう、新垣食堂。 ああ、ついに今年の石垣行の龍は目無し状態になってしまった………。 ここまで来てしまった以上、あとにはひけない。 海沿いの道が続くこのあたりにあるお店はたいていそうであるように、ここも店内から東シナ海が一望できる。 Yさんが妙に魂の抜けたような表情になっているのは、あまりの美味しさに頬が落ちている状態を表現しておられる………わけではなく、たまたま妙な一瞬を撮ってしまっただけのはず。 みなさんはパスタやピラフ、プレートランチを。 オシャレな作りのメニューを見てみると、どれもこれも美味しそうな数々の料理の中に、新垣食堂牛肉カレー待機状態だった僕を、ピンポイントで狙い済ましているかのような逸品が。 石垣牛カレー♪ キレンジャーも大満足ですたいッ!! お昼までご馳走になってしまい、感謝感謝で再びYさん邸に戻った我々には、この日のメインイベントが待っていた。 名付けてミッション:ボンゴレ。 昨年は、エゴツアーと称して名蔵アンパルというマングローブ域を案内してもらい、シレナシジミという貝獲りを堪能させてもらった。 エゴツアー2012では、潮干狩りをしてアサリを獲ろう!!という作戦だ。 生物名として正確に言うと、アサリではなくヤエヤマスダレという名の貝らしい。 ともかくその「アサリ」を、潮干狩りでゲットしよう! 干潮時刻は午後3時頃。 で、ヒサコ隊長、現場はどちらですか?? 「うーん、今日は崎枝かなぁ!」 え? アッ!! 到着した「現場」は、本当に養殖場から目と鼻の先の海岸なのだった。 というわけで、つい先日までの作戦現場にて、新たな作戦開始!! まだ東京にお住まいだった頃のヒサコさんは、水納島にお越しになるたびに、被爆でもしたの?ってくらいに毎回日焼けされていたものだった。 都会にいると憧れだった「太陽」も、やはり過ぎたるは及ばざるが如し。郷に入って郷に従うと、だんだんおばあたちの格好に似ていくのである。 潮干狩りができるくらいだから当然遠浅の海岸には、ボートが幾隻も係留されている。 潮が引いているためボートはどれもこれもみんな「座礁」しているものの、実はこの日、あの世界のM下さんが、ここからダイビングポイントまで出航されていたと後日うかがった。 ものすごくローカルな場所でのニアミス! さらには驚くべきことに、前日我々がこのあたりで車を走らせていた頃、あのウロコムシ・T・武田さんもまた、このあたりの道を「フフフン♪」と鼻歌交じりにドライブしていたという。 ………会わずに済んでよかった。 さてさて、たっぷり潮が引いている現場に急行した我々は、すぐさまミッションに突入した。 開始早々から、 「いた!」 「またいた!!」 と、ヒサコ隊長が他の追随を許さぬスタートダッシュ。 た…隊長!飽きちゃったんですか?? かくいう僕は。 子供の頃、夏休みのたびに親に連れていってもらっていた海は日本海なので、潮干狩りなんてありえない(日本海は干満による潮位の差がほとんどないから)。 小学校の修学旅行の際に、安芸の宮島でだったっけ、潮干狩りをする時間が設けられていたものの、なにぶん田舎の子供のことである。食べられるものよりも、小さなカニだエビだイソギンチャクだ、に血道をあげていたのは言うまでもない。 なので、こうして本当の潮干狩りをするのは、実は僕にとって人生初体験なのだった。 ………向いてない。 己を知る僕は最初からそう確信していたものの、それでも多少は見つけることができた。 コブシガニの仲間♪ <小学生の頃から全然進歩してないじゃんッ!! その点、元水族館飼育スタッフたちの集中力は並ではなかった。 うーむ、かくなるうえは………… 任せたッ!! というわけで、今次作戦の成果!! これ、写真じゃわかりづらいだろうけど、優に合計200個はあるんですぜ。 ものすごいアサリバブル♪ 今宵はもちろん、このアサリを使って…… Yさん特製アサリの酒蒸し!! これがホントにもう、どれほど美味しかったことか。 いやあ、日本酒に合いますなぁ!! そして翌日のランチでは、再びYさん特製の… Spaghetti Alle Vongole!! 昨年のこの時期、イタリアでボンゴレをいたく気に入り、現地で食べまくっていた埼玉の父ちゃんが見たら、あまりのアサリの量にアゴがはずれてしまうかもしれない………。 これらの貝たちが、ほんの少し前までフツーに海で暮らしていたものだなんて。 「命をいただいて生きている」という覚悟さえ決めれば、身の回りには無限のシアワセが広がっていることに、きっと誰もが気づくことだろう。 |