21・復活の隊長
時間は再び、前夜祭で不沈宇宙戦艦が冥王星に沈んだ翌朝に戻る。 隊長と隊長オクサマが同じホテルにお泊りになっているということはすでに触れた。 この日、ここホテルモントレ銀座で、お2人の結婚式&披露宴が催されるからだ!! そう、これこそが今回のメインイベント。 詳しい日時や場所を9月に伺った時点で、どうせなら…と同じホテルの予約を取った我々。 遠路はるばる沖縄からやってくるということでお気遣いいただいたわけだ。 その差額が、翌日以降の酒代に変身したのは言うまでもない……。 それにしても隊長、本日ついに迎える晴れの舞台だというのに前夜の酩酊。はたして今朝は復活しておられるのだろうか?? ここでひとまず、新郎新婦について触れておこう。 一方、このたび新たにごっくん隊編入となった新婦もまた、クロワッサンのゲストである。 その北海道のS嬢は、あるときは撮影中の巨匠・コスゲさんの頭を指示棒でコツコツ叩くツワモノ、あるときは台風欠航中の激流の桟橋脇を杖一本で渡りきろうとする猛者、あるときはクロワッサンのゲストで唯一マンタを目撃した希少な体験をお持ちの方である。 そんな数々のエピソードを残しておられるにもかかわらず、メールにてご予約いただく際には必ず、 「北海道のSですけど、覚えておられますでしょうか……」 と実に謙虚な文面。 とにかくひとまずなによりすなわち、どちらもクロワッサンのゲストなのである。 しかし、この年4月に 御結婚のお知らせをいただいた際の我々のオドロキ具合いからもお察しいただけるとおり、お2人が島でそんな仲になっておられたなんて気配は微塵もなかった。そもそも島でお2人のご滞在が重なったのは過去に2度しかなく、その2度目になる昨年8月は、お二人とも台風で島を追い出されるまでまったくの他人だったはずだと手元の資料は語る。 それなのに、その後4月にお電話をいただいた際にはすでにそーゆーことになっておられ、今夏お2人で初めて島にご滞在になったときには、うれしはずかしペアルックでご登場。 いったいお2人の出会いはいつ?どこで?? その衝撃的かつ笑劇的な素晴らしいエピソードは……… …ヒミツです♪ とにかくそんなお2人から披露宴のご招待をいただいて、我々が出席しないはずはない。 式は午後からだったので、午前中は築地市場界隈の下見などをしつつ、このところ滅多に着ける機会が無くなった白いネクタイ姿になって披露宴会場の受付に行くと…… この夏北海道から水納島までお越しくださった、隊長オクサマのご友人トリオが受付係をなさっていた。 ちなみにこの受付に飾ってあった新郎新婦の写真(手前)は、ウェディングドレスとタキシード姿ではなく、畑仕事をしている時のもの。 その場で、ごっくん隊リーダーファミリーと再会した。 ブクちゃんがいう。 「隊長の姿を見てみたい……」 それはすなわち、心配のほうがかなり大きい状態での興味、ようするにコワイもの見たさであることはいうまでもない。 やがて時刻となり、ホテル内の教会に案内された。 いよいよ新郎の入場である。 生きていた!! そして新婦入場!! お父様にエスコートされ、新婦が我々のそばを通っていく。 隊長オクサマ…………きれいです。 な〜んて思っていたら、隣で鼻をすする音が。 ん? なんであんたがここで泣くんだ、オタマサ!! そしてお父様からバトンタッチして、新郎が新婦を迎え…… …神の御前へ。 神の前で永遠に変わらぬ愛を誓いつつ、指輪の交換では、隊長前夜飲みすぎたせいでむくんで指輪がなかなか入らなかったりしつつ…… いよいよ新婦のベールが新郎の手で……… そのあとは…… …それはヒミツです♪ こうして式は滞りなく執りおこなわれ、新郎新婦は手を取り合って、式場を後に。 隊長、昨夜11時頃新橋にいた方と同じ人とはとても思えないんですけど……。 だって、前夜はこうだったんですぜ。 別人28号。 この状態になる前の昨夜の乾杯時のぎこちなさを思えば、今この時この瞬間の「オレはやったぜ!」的達成感溢れる表情は、石垣島でフルマラソンを走りきったときを彷彿させるものがある。 前夜冥王星の海の底に消えてしまったかと思われた不沈艦は、あの子がふっていた真っ赤なスカーフが自分のためだったことを思い出し、この日花婿を待つ花嫁のために見事復活。 そのあとは外でみんなから花びらで祝福を受けて…… 新郎新婦はひとまず退場。 このあとはお待ちかね、いよいよ披露宴だ!! |