3・福岡空港
ほぼ同時刻発のJTA便があったおかげで、窮地を脱した我々。 それが全日空直々の運行便であればなんの問題もなかったのに、あいにくコードシェア便で実際の運用はANAではなく、長崎県の各島々を空で結ぶORC、すなわちオリエンタルエアブリッジ便。
となると那覇空港でJALに預けた荷物をいったんここ福岡で受け取り、その後改めてANAカウンターで荷物を預ける手続きをしなければならない。
3階フロアのレストラン街の一角にあるロイヤルコーヒーショップにて。 聞けば一口餃子というものはこのあたりの名物らしく、なるほどたしかにひとつひとつは、大阪の点天餃子よりは大きいけれど、王将の餃子に比べれば遥かに小粒。
通常サイズの餃子もワタシは一口で食べるんですけど……と言いたいところではあるけれど、オタマサの感想としては「一口餃子というよりは、ふた口餃子」だったようだ。
また、餃子のタレがカボスでもたらしているのかな的に上品チックだったのが不思議的味。 ともかく朝餃子は、キリン一番搾りを美味しくいただく肴としては申し分ない。 ちなみにこのお店、早い時間から開店してはいるものの、他のお店と同様モーニングメニューを用意しているため、10時以前には餃子やビールをオーダーできないことになっているのでご注意を。
ビールを飲みつつ、滑走路を眺める。
おお、飛行機のドアがどこでもドアになっている!!
でも………。 ところでこの福岡空港は、日本有数の発着数の多さを誇る空港でもあるらしい。 そんな発着数の多い空港はたいてい滑走路が複数本あるのに、この福岡空港はたった1本しかないために、降りるにも飛び立つにも、各飛行機は分刻みの順番待ち状態だという。 窓外の状況も、順番を待つ飛行機だらけになっていた。
こんだけギチギチの予定じゃあ、トラブルが発生した飛行機の代替機をやりくりするのも大変だろうなぁ。 さて、この店で軽く済ませたのにはわけがある。 広い広い福岡空港(現在2019年完成に向けて大改装中)には、2階に広大なフードコートが誕生しているのだ。 そこにとても気になる店が入っていたのである。 ここ。
博多とんこつあごだしカレーをウリにしている、博多カレー研究所。
両生・爬虫類研究所だとか、熱帯魚研究所といったら、興味のない人々にとっては胡散臭いことこのうえないに違いない。
しかしここはなんといっても福岡国際空港。 というわけで、オーダーしてみました、あごだしカレー♪
具は別メニューのトッピング制で、とんかつとかゴボ天とかかき揚げなどがあるなか、一番人気という焼きネギを入れてもらった。 トッピング制だからカレー自体は潔いまでにカレーの湖状態で、このカレーだけで勝負できる!というお店の自信をうかがい知ることができる。 さああごだしカレーを実食!! ん? んんん??
いや、けっしてまずいわけではないですよ。 先に食べた餃子のせいなのだろうか。
完食し終えた後、カレーを受け取る際にお盆に添付されていた、小さなチラシに目が行った。 「美味しい召し上がり方」 え? 作法や手順があったの??? 完全に時すでに遅し的状況ながら、気になるので読んでみた。
使用している米にこだわりがあるそうで、まずご飯を味わってみるというステップ1は意外ではあったけれど、さんざん手順を踏まえておいて、最終的には「好きなように食え」ということに落ち着いているようだ。
ああビックリした。 一方オタマサは、夜のためにもここで腹一杯になるわけにはいかないから、消化にいいものを、ということで……
福岡にこのうどんありと古くから知られている、因幡うどん。 福岡博多といったらとんこつラーメンでしょうというところなんだろうけど、花まるうどんがフツーに客を呼べる空港内に、とんこつラーメンの名店があるとは思えなかったので辞退。 そうはいってもこれから五島うどんをしこたま食べようというときに、わざわざうどんをチョイスですか。 でもまぁ、本人が美味い美味いと食べているのでまぁいいか。
コシとは無縁の、煮炊きに徹した食感のうどんのようらしい。 さて、腹もくちたし そろそろ時間だし、保安検査場を抜けて10番搭乗口に行き、シートに座って読書でもしておくか。
10番搭乗口はコンコース最奥の突き当たり。
なんと、我々が乗る予定ひとつ前の便が、まだ出ていない。 9時頃のつもりでいたのに12時前に変更となれば、さすがに何か食わねば腹が持たないだろうから、空港内で飲食しているはず。 するとそんな乗客のために、こんな案内が手書きで用意されていた。
商品券とかお食事券などではなく、現ナマを改札機通過時に手渡すだなんて……全日空もなかなか味なことをやる。 うーむ、最初からこの遅延を予想できていれば、我々の飲み食いもタダになるところだったのか………。 …などと有り得ないことを考えている場合ではなかった。 3時間もの遅延の果てに飛び立った1便がちゃんと五島に着くのかどうかもわからないうちに、我々が乗る便の案内が始まったのだ。
遅れようとどうしようと、ちゃんと五島に着いてくれるのならめっけものだ。 と安心していたら、その30分後には…
長崎空港に着陸することになるかも!? なんでさっきの便は福岡に引き返すかも、だったのに、次の便は長崎なんだよ。 1便前の全日空直営機とORCでは、積み込んでいる燃料の量が違うのか???
遅れるのはしょうがない。 でも、長崎に降りちゃった場合はどうなるんだろう?? さすがに長崎空港周辺はまったく未知数だし、長崎から五島へ行く手段はあるにしても、その場合費用はどうなるんだろう? というか、仮に五島空港に着陸すると決まったとして、飛行機は無事に着陸できるんだろうか…という根源的な疑問も。 様々な不安が渦巻く中、 刻々と出発時刻が迫ってくる……。
|