10・思い出は千の風になって…
あの人とはほかでもない、隊長だ。 いつの間にやらエンジン全開。 隊長ぉぉぉおおおッ!! 席上、初対面のみなさんにも隊長の人となりを知ってもらうべく、水納島におけるごっくん隊の凄まじい飲みっぷりはもちろんのこと、全国大会決勝まで出場した隊長の、至宝の口笛の腕前もさんざん僕が宣伝していた。 隊長、口笛聴きた〜い♪ ガソリン満タン状態でそこまで言われた隊長に、否やのあろうはずはない。 酔っ払いの姿からは想像もつかない音色の美しさに、 皆一瞬我を忘れて聴き惚れた……。 待ってました、隊長!! 〜♪ 隊長、完全にいつもどおり。 た、隊長ぉおお!!お店の中で寝てしまわないで!!! ああしまった、なんでこのときの写真を撮らなかったんだ!! 心地良く酔った彼にとって、ここが石垣であろうが水納島であろうが新橋の飲み屋であろうが横浜のリーダー宅であろうが名古屋のお店であろうが、もはやまったく関係なくなっていたのであった。 後日、このときの隊長の様子を、ふくみみ・ノリダーは嬉しそうに(?)こう語った。 「久しぶりに、典型的な酔っ払いを見た……」 その典型的さが「キレイ…」とまで言っていた。 その時! ムクッ!! 突如起き上がった。 「ハイッ!!ハイッ!!」 クロワッサンでのゆんたく時のように、威勢よく手を上げる隊長。 「行きますッ!!」 復活。 一方、崩れかけた隊長に比べると、エンジン全開とはいえ随分まともに見えたのが島Pだった。 いったい誰と? 消火栓と。 ただし今宵の彼はまったく元気で、この写真は我々の期待に応えてくれているのだ。 「あだん亭も2次会の店も記憶はちゃんとあるんだけど、あだん亭から2次会の間に、どうやって娘が帰ったのか覚えてない」 あ、あなた、それって一番しっかりしてなきゃいけないところじゃないんですか?? えび屋−Mさんとともに乗ったタクシーで、ちゃんと家に寄ってから2次会の場所に来たという記憶がすっかり欠落しているらしい。 「そこだけプンッと飛んでるけど、それ以外の記憶は完璧!」 娘ミオよ、それを完璧と言わせておいていいのか?? ともかくそんなわけで、やってきましたディープ石垣。 仲良きことは、美しき哉♪ いつの間にかカナエ嬢もゴキゲン状態。 いいらしい。 カラオケ将軍島Pがリクエストするのは、自分が歌う歌だけではなかった。勝手にリクエストして、マイクを渡してくる。 すると隊長は!! カラオケに合わせ、その曲を口笛にて披露!! えび屋−Mさんも負けてはいなかった。 これがまた、心地良く酔いが回った頭に染み通るようないい歌詞で、サビの部分をチョロッとご紹介するとこうなる。 〜♪ なんかいい感じでしょ? いやあ、夜も更けたディープな飲み屋で、まさかのコラボレーション。 ところで、歌詞がとても素敵だったので、えび屋−Mさんに是非後日歌詞をメールで送ってください、と面倒なことをお願いしていた。 これ一事をもってしても、みなさんに車えびの品質のたしかさをご理解いただけることだろう。 が。 そんなこんなで、飲んで歌って話して笑って、楽しい楽しい慰労会(?)はお開きとなった。 そして翌朝。 昨日はお疲れさまでした!今朝は快適なお目覚めでしたか?? 「……かなり残ってます」 ちなみに隊長、昨日2次会で口笛フィーバーかかってたのご記憶ですか?? 「え?私………… 2次会も行きましたっけ?」 た、隊長ぉぉぉぉおおおおおッ!? 前夜の出来事の後半の記憶が、千の風になって飛んで行ってしまった隊長なのだった……。 なにはともあれ隊長、初フルマラソンお疲れさまでした! おめでとうございます!! ……それは覚えてますよね?? |