4・思いこんだら伴宙太
無謀にも焼肉に挑んだ我々だったとはいえ、さすがに夜遅くまで飲み食いするわけにはいかなかったので、程よいところでこの夜はお開きになった。 そして、一夜明け………ない。 ともかく朝になり、目覚めていきなり気がついた。 胃が…………もたれている。 当たり前か……。 マラソン前夜と、久しぶりにいろんな人たちに会ったことで、すっかり遠足前の小学生になってしまって寝られなくなった昨年とは違い、今年はうちの奥さんもしっかり睡眠をとることができたようだ。 大会の案内では、朝8時半にスタート地点に集合ということになっている。 なので今回は、スタート少し前に到着するくらいの予定にし、朝食のビュッフェもゆっくり目に。 まぁいっか、ハーフだし。 昨年に比べるとかなりリラックスした状態で準備を済ませ、そろそろ会場へ向かうことにした。 隊長、快適な朝でしたか?? 「…やや腹を下してます」 やはり焼肉はヘビーすぎたか……。 「なんか、巨人の星を思い出しますねぇ」 え? 「試合前日に、伴宙太のパパが息子のチームメートにすごいご馳走をふるまったんですけど、いいところのオボッチャマの伴宙太と、貧乏で鍛えぬかれた星飛雄馬以外の選手たちが、いきなり食べなれないイイモノを食べてしまったせいで、全員腹壊しちゃって、結局星飛雄馬と伴宙太の二人だけで勝っちゃった…みたいな話、ありましたよね??」 すみません、知りませんでした。 そんな話をしながら、テクテク歩いて会場を目指す。 会場には、この日ボーリング大会の予定が入っている島P夫妻も来てくれていたので(待てど暮らせど現れない我々にヤキモキしていたらしい)、やや緊張気味の隊長ともども、使用前の写真を。 9時前なのに、まるで早朝のようなこの影の長さ。 旅行出発前からずっと気になっていた当日の天気予報、週間天気予報ではいまいち冴えない模様で、あろうことか傘マークまで出ていたこともあった。 それが曇り予報になって安堵していたところへ、この青空!! 太陽って暖かい………。 でも、晴れたら晴れたで、特にフルマラソンは大変だ。昨年、あわや頭部がオーバーヒートしかけたことからも明らかなように、暑すぎてもダメなのである。 そんなこんなしているうちに、いよいよスタートの時刻が。 というわけで、号砲一発全選手がスタートする中、我々は3人揃ってゆっくりと歩みを進め始めたのだった。 |