15・フリマラソン
夫婦揃って見事に美しく大団円を迎えた、人生初のフルマラソン。 ……話は続く。 もう動けません!! そこに島P夫人カナエ嬢が、タッパに山盛りの乾燥梅を差し入れてくれた。それを美味い美味いと頬張りつつ、お茶を喉に流し込む。 これがホントの完走梅!! ……山田君、座布団一枚持っていきなさい!! そうこうするうちに、間もなく競技が終了する時刻になるというアナウンスが流れ、時間内に間に合った最後のランナーがゴールしたようだった。 さてさて、終了したことだし、そろそろ動きますか。 下半身の関節が完全に固まり、筋肉の中ではアクチンフィラメントとミオシンフィラメントが、ギッチリとアロンアルファで固定されてしまっていた……。 とにかく今はベッドが恋しい。 会場では参加者ならびに関係者による、交流パーティなるものが催されていた。 しかし、もはや飲食よりもただただ柔らかなベッドに寝転びたいだけの我々は、一刻も早く駐車場に……。 ところがさすが2児の母。 なんとなんと、そこには琉大ダイビングクラブでの僕たちの2年先輩にあたるTさんが、ハーフマラソンに出場したあと、地元の方々とともに露店スタッフとしていらっしゃった!! 超久しぶり!! 右から二人目がTさん。 撮影:通りすがりのお兄さん 琉大ダイビングクラブは、卒論がある関係で4年生になる前に引退するため、クラブ運営の実質上の責任者世代は3年生だ。 その神様は唯一神ではなく、ギリシャ・ローマ神話のように数多くいて、なおかつ…………個性豊か。 このTさんもそんな「神様」の一人だった…。 そして、入部以来3ヶ月ほどでまだお互いよく知らないから…という「名目」で、1年生をズラリと揃え、一人ずつ乾杯していく。 当時我々1年生はやたらと数多く、それらのほとんどを並ばせていちいち乾杯していくのである。僕なんて、その乾杯のローテーションで3回くらい順番が回ってきたくらいだから、いったいTさんはどんだけ飲んでたんだろう?? それもロックですぜ。 しかし僕は何を取り違えたのか、飲めなきゃ始まらないものの、飲むだけで終わってしまうという3年生になってしまったのだった……。 そんなTさんに久しぶりに会い、なんだか懐かしくなったので今宵の宴にお誘いした。OB関係者で飲むんで、是非お越しください!! 「おう、じゃあ行くよ!!」 快く参戦を表明してくださった。 ちなみにカナエ嬢のだんな島PとTさんは同じ職場で、なおかつ石垣在のOB関係者はしょっちゅう会っているから、我々が超懐かしがっているのとは違い、カナエ嬢はいたって普通のトークなのだった。 ところで、このTさんのところでいただいた石垣牛のローストの美味いこと!! 後刻ホテルの部屋でお茶と一緒にいただいたんだけど、いやあ、ここはやっぱりビールでしょう!!というくらいに美味い。 カナエ嬢の車でホテルまで送ってもらった。 友人とはかくも有難いものなのである。 実は、今回の石垣滞在記はここからが本番なのだ!! これがホントのフリマラソン!! ……山田君、座布団全部持っていきなさい!! |