17・雨の石垣島
さすがに高揚感から解き放たれると、まるでニッカド電池のように急激にエネルギー切れとなった。 そりゃそうだ、朝6時に起きて、夜2時までの20時間。 ただでさえほぼ丸一日起きてりゃ眠くもなるというのに、我々はフルマラソンを走って、おまけに飲んで騒いで……。 この日は、朝から島P夫妻が迎えに来てくれることになっていた。 が。 我々も、いったん目覚めてもまだこのままずっと寝ていたいくらいの朝ではあったものの、9時までという朝食をキッチリとった。もったいないし。 そうこうするうちに時間となったので、思うように動いてくれない体を引きずりつつヨレヨレとロビーへ。 元気一杯のカナエ嬢と、まだ二日酔いにもなっていない酔っ払い状態の島Pがいた。 今はこうしてヨレヨレのおとっつぁんになっている島Pも、昔はちゃんと若々しかったのだ。 娘たちよ、父ちゃんも母ちゃんも昔は若かったのだ!<カナエ嬢は変わってない<一応、おべんちゃら♪ ……タコ主任(左)の頭@別人28号。 石垣観光といっても、特にどこに行くアテもない我々なので、そのあたりは全面的に島P夫妻におまかせ。 ってことでやってきましたバンナ公園。 「公園」というにはあまりにも広いその規模。バンナ岳というけっして小さくはない山が、全山「公園」として整備されている。 猛々しいまでのその土木事業の勇壮さは、さすが公共工事の沖縄!!とまったく舌を巻いてしまう。 そのバンナ公園には当然のように石垣市街を見晴るかす立派な展望台があって、無料で使える望遠鏡まで設置されている。 真っ白で見えな〜い………。 そうなのだ。 雨に煙る石垣市街を、展望台からボーゼンと眺める我々。こんな天気の日にこの公園にいるのは我々くらいだったことだろう…。 展望台からは遠く水田も見えた。 植物といえば、石垣島の山々の緑の見事さよ。 育ってます!! という植物の勢い。 その後再び車に乗り込み、広大な園内を巡ってみると、巨大なダム湖があった。そこに鴨がたくさん浮かんでいる。 いやあ……。 今の雨だけ見ればなんともアンラッキーかもしれないけど、雨天決行のマラソン大会当日にこんな天気にならなかったってことは、かなりラッキーだったんじゃないの? そう思えば、フロントガラスを滝のように流れる雨も愛おしい。 この公園ひとつですら水納島よりも圧倒的に大きいくらいだから、地元民といえどこの公園を制覇するには相当時間がかかるだろう。 とはいえまさか雨の中でこの公園を制覇しようとするはずはなく、お昼時になったので、このあと我々は島P家御用達のイタリアンのお店に。 そういうところでイタリア〜ン♪<もちろん、with ビール。<我々だけ。<すまんね♪ 窓から見えないにしてもちょっと行けば海が近くにあって、建物はオシャレで、鴨肉の前菜から始まる美味しいパスタランチをいただいている今。 このほかにも島内各地に、こういったオシャレな店が増えている石垣島。 それらの店が成り立つほどに、ナイチャーの数が多いってこともあるのだろう。 そういえば前夜の宴席には石垣市民がけっこういたのだけれど、誰一人として地元で生まれ育った人はいなかった……あ、違うや、島Pの娘一人だけだった。 不況のせいかようやく沈静化してきたらしいとはいえ、ひところは空前の移住バブルがあった石垣島だから、市内の経済基盤は、すでにナイチャーたちの存在がかなりのウェートをしめているに違いない。 オシャレなランチをいただいたあと、さらに島 P夫妻に島内観光をしてもらった。そして、まさか、まさかこんなものが石垣島にあるとは!! …というものを見せてもらったのである。 |